「記憶にない」一転、衛星放送の話題認める 総務省局長、接待した首相長男は「利害関係者」とも認識

2021年2月19日 20時14分
 総務省の秋本芳徳情報流通行政局長は19日の衆院予算委員会で、放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男らから昨年12月に接待を受けた際、衛星放送に関する話題が出ていたことを認めた。これまで「記憶にない」としていた説明を一転させた。首相の長男が、接待を受けることが禁じられる国家公務員倫理規程上の「利害関係者」に当たるとの認識も示した。野党は接待が放送行政に影響を与えた可能性を追及した。 (川田篤志、上野実輝彦)

衆院総務委に臨む総務省の秋本芳徳情報流通行政局長(左)と湯本博信官房審議官

◆「記憶力不足を反省」

 秋本氏は「今となっては発言はあったのだろうと受け止めている」と述べ「記憶力不足などは非常に反省している」と陳謝した。長男については「(接待の)誘いを受けた時点では利害関係者ではないと思い込んでいた」と釈明した。
 接待で東北新社の子会社が手掛ける「スターチャンネル」など衛星放送事業についてのやりとりがあったことは、週刊文春が報じ電子版で音声を公開した。接待があった昨年12月は、総務省の許認可事業である衛星放送の認定更新時期だった。
 これを踏まえ野党は、接待が放送事業の許認可などに影響を与えた可能性を追及。武田良太総務相は、これまでの調査の不備は認めたが「具体的な根拠がない限り、行政はしっかり機能していると信じている」と強調した。

◆更迭人事は「適材適所」

 総務省はこの日、秋本氏と首相の長男から接待を受けた湯本博信官房審議官を20日付で官房付に異動させる事実上の更迭人事を発表した。武田氏は「重要法案の審議をお願いする中の適材適所の配置」と説明。今後も要請があれば国会に出席させる考えを示した。
 衆院予算委に先立つ理事会で、総務省は週刊文春の報道を受けた再調査に関する文書を提出。首相の長男や同席した子会社社長が、公開された音声が「自分だと思う」と回答したことを明らかにした。接待を受けた秋本氏ら幹部4人や、首相の長男ら東北新社の関係者から改めて事情を聴き、過去の接待の回数や金額などを22日に報告すると説明した。

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