コロナで深まる「孤独感」 政府が孤独・孤立対策担当室を新設、25日に緊急フォーラム

2021年2月20日 20時38分

「孤独・孤立対策担当室」の看板を掛ける坂本1億総活躍相(右から2人目)=19日午後、東京都千代田区

 政府は、新型コロナウイルス感染拡大に伴って深刻化する孤独・孤立問題に省庁横断で対応するため、内閣府に「孤独・孤立対策担当室」を新設した。厚生労働省や文部科学省など6府省の職員約30人で構成。25日に菅義偉首相も出席して緊急フォーラムを開き、問題に携わる支援団体などから意見を聞き、対策に乗り出す。
 孤独・孤立対策担当を兼務する坂本哲志1億総活躍担当相は19日の会見で、担当室の設置を発表。「担当室が司令塔となり、政府一体となって取り組むことで、より的確に(支援を)必要とする方に届けていきたい」と話した。
 坂本氏は現時点で想定する対策として、高齢者や子どもの見守り、地域のつながり強化、住まいの支援などを挙げた。緊急フォーラムでの意見も踏まえ、夏にもまとめる「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に関連施策を盛り込み、予算確保を目指す。
 コロナ禍で、孤独や孤立に起因していると見られる問題が深刻化。昨年の自殺者数は2万1077人(暫定値)と11年ぶりに増加に転じた。厚労省が自殺者の原因・動機となった問題を分析したところ、「孤独感」は434人(同)で前年比31・5%増だった。文科省の調査では昨年の小中高校生の自殺者は前年比41・3%増の479人で過去最多だった。
 24時間チャット相談窓口を運営するNPO「あなたのいばしょ」(東京)の大空幸星代表は、2018年に孤独担当相を置いた英国の事例を踏まえ「まずは孤独・孤立の明確な定義と、孤独感を測る指標の開発が必要。対策が精神論だけで動くことがないようにしてほしい」と話す。
 孤独・孤立問題を巡っては、首相が今月12日に坂本氏の担当兼務を指示。19年の参院選公約に孤独担当相創設を掲げていた国民民主党がいち早く要望書を政府に提出。自民党も特命委員会の設置を表明したほか、公明党は対策本部で関係団体からの聞き取りを始めた。(坂田奈央)

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