明治を生きた武士たちの姿 館山市立博物館で企画展 廃藩置県から150年

2021年2月22日 07時10分

格安で譲り受けた官有地を、館山士族が高値で売り飛ばしたことを示す「払下山林売渡金受取証書下書き」(館山市提供)

 江戸から明治の激動期を館山の武士がどう生き抜いたかを紹介する企画展「武士たちの明治」が、館山市立博物館で開かれている。一八七一(明治四)年の廃藩置県から百五十年を迎えるに当たり、写真や古文書などの資料百四十点をそろえ、当時の実像をうかがい知れる展示内容となっている。三月二十一日まで。 (山田雄一郎)
 博物館によると、同館には近代館山に関する資料が数多く所蔵されているが、新たな資料を掘り起こす狙いを込め、今回の展示を企画した。企画の趣旨に賛同し、市内外から多くの資料が寄せられた。
 展示内容によると、廃藩置県で館山藩は館山県となったが、周辺十五県はほどなく合併で木更津県となり、旧藩は消滅。明治政府が任命した藩とは無関係の県令(県知事)がトップとして赴任し、七三年には木更津県と印旛県が合併して千葉県が誕生した。生活維持の「秩禄(ちつろく)」を政府が打ち切ったことも手伝って、士族はみずからの力で「転身」を余儀なくされた。館山では多くが農工商の分野に進んだが、地方官吏や医療・宗教界に活躍の場を求めたケースも知られ、関係人物の肖像写真とともに資料が示されている。
 イラスト付きで解説されているのが、官有地の払い下げを格安で受けながら高値で売り飛ばした館山士族の受取金に関する古文書「払下山林売渡金受取証書下書き」(七五年六月、同館所蔵)。武士の特権を剥奪されながらも、時代の波に乗って「土地転がし」に励む人間心理が垣間見え、興味深い。同館では初の展示という。
 同館の岡田晃司主任学芸員は「国だけでなく、館山のような小さなまちも、士族の影響を受けながら近代化した。地域に伝わる資料を通して、新しい館山へと移り変わっていく側面を目にしてほしい」と語る。
 午前九時〜午後四時四十五分。月曜休館。一般四百円。小中高生二百円。問い合わせは、同博物館=電0470(23)5212=へ。

廃藩置県から150年を迎え、館山の武士たちがどう生き抜いたかを紹介する企画展「武士たちの明治」=市立博物館で


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