宮﨑香蓮の大人の社会科見学 東京メトロ

2021年3月10日 12時03分

女優・宮﨑香蓮が老舗の企業をご紹介します!


女優・宮﨑香蓮が、インタビューから原稿の執筆まで全てを手掛ける連載コンテンツ「大人の社会科見学」。今回は、江戸川区の葛西駅近くにある地下鉄博物館に訪れ、東京メトロを取材しました。東京を行き交う人たちを地下から支える東京メトロの、昔と今をお伝えします。

開業日に行列を作った東京で初の地下鉄

 今回、取材した企業は東京メトロさん。東京で生活しているので、いつもよく利用しています。首都圏の交通ネットワークを大きく担っている企業です。その始まりは日本の地下鉄の歴史の始まりでもありました。

大学への通学にも東京メトロを利用していた宮﨑香蓮さん。

 この誕生に尽力したのが「地下鉄の父」と呼ばれる早川徳次のりつぐ氏。早川氏は様々な鉄道会社において経営の再建などで手腕を発揮していました。大正3年(1914年)に海外視察で欧州を訪れた際、イギリスのロンドンで地下鉄が発達しているのを目の当たりにします。これに衝撃を受けた早川氏は、これから東京にも地下鉄が必要だと考えるようになったそうです。

東京メトロ広報部の野口さん。

  帰国すると自ら交通量調査を行い、東京の中心的な交通機関であった路面電車が飽和状態にあることを証明し、地下鉄の建設に奔走したのでした。大正12年(1923年)には関東大震災が起こり、東京でも壊滅的な被害もあった中で、大正14年(1925年)に工事を開始。その2年後、昭和2年(1927年)12月30日に上野~浅草間の2.2Kmの区間で、東洋初の地下鉄が誕生しました。当初は上野から新橋まで建設する予定でしたが、震災の影響もあり、この計画を実現するのは困難になりました。そこで、当時の二大歓楽街であった上野と浅草をまず結ぶことで、人々の注目を集め、後に路線を伸ばすための布石としたそうです。当時、地下鉄の存在していなかった日本国内への「見本」としての意味合いも込められていました。

開業当時の地下鉄の車内を再現。間接照明はいま見てもおしゃれですね。

 その期待通り、開業当日は早朝から駅に大行列ができ、歩いて30分もかからない区間を走る地下鉄に乗るため、人々は数時間並んだそうです。これがのちの「銀座線」のはじまりです!

地下鉄博物館の展示スペースでは、うへの(上野)駅にあった地下鉄ストアの広告も再現されています。

 その当時は、電車の車体は木製が主流でした。しかし地下鉄では火災対策のため、当初からオールスチール製だったそうです。他にも自動列車停止システムも搭載するなど、安全を第一に考え様々な最新技術が詰め込まれていました。ピカピカの電車が地下で走る姿を初めて見た当時の人たちの気持ちを想像すると、本当にわくわくしたのだろうなと、羨ましくなってしまいます。

首都圏ネットワークの安心安全を守る使命感


地下鉄博物館副館長の足立さんから、東西線の運行状況について説明を受けました。

 長い歴史の中で、東京メトロの大きなターニングポイントは、平成16年(2004年)に民営化したことです。民営化以前の呼び名だった「営団地下鉄」と聞くと、懐かしくなる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。民営化により、それまでなかった様々なサービスが広がっていきました。身近なところでは、駅ナカ事業の本格化です。表参道駅の「エチカ」のように、駅の改札の内側に様々な商業施設を充実させていきました。またコンシェルジュのように地下鉄の利用案内をする「サービスマネージャー」を主要な駅に配置するなどサービス面でもかなりの変化がありました。

取材時に、南北線の全線開通20周年を記念した展示も行われていました。こちらは20年前の駅員さんの制服。色と帽子が特徴的です。

 現在では鉄道事業にとどまらずパートナー企業と連携し、駅構内でのシェアオフィス「CocoDesk」の設置が始まりました。また、生活の中にある「苦手」なことの克服を目指し、VR空間上で安全にトレーニングが行える「苦手克服VRトレーニングシステムNaReRu」製作のため、地下鉄車両内や駅構内のデータを提供し、地下鉄への乗車練習用VRシステムの開発にも協力しています。そしてなんとeスポーツのトレーニングジムも開業を予定するなど、本当に様々な分野に挑戦されています。新たなことにチャレンジし事業の芽をどんどん大きくしていきたいという思いがあるそうです。
 一方で、東京メトロが一番大切にしていることは、やはりお客様の安心安全だそうです。地震や大規模水害など自然災害への対策や、ホームドア整備などの安全対策に加え、コロナ禍に対応した車両内・駅構内への抗ウィルス・抗菌処置など、多くの取り組みが進められています。

普段はお目にかかれない保安用の車両も展示されています。

 またトンネル内の安全確認にドローンを利用したり、車両の故障の予兆を検知するためのシステムの運用開発も行っています。昔から変わらずやっていることと、最新の技術を使いブラッシュアップしていくものとを組み合わせて、さらなる安全を目指しているそうです。

本格的な運転シミュレーターにチャレンジ。リアルな運転体験ができます。

 車両や線路などの点検作業は、終電後から始発までのわずかな時間で行われており、乗客が目にする機会はほとんどありません。しかしそういった日々の作業を東京メトロでは広告などで紹介しています。それは乗客に「安心を伝える」ためだけではなく、社内で「自分たちが公共の交通ネットワークを担っているんだ」というモチベーションにもつながっているそうです。安心安全を第一に考え、東京メトロのネットワークを守るという、企業としての責任感がすごく伝わってきました。技術の進歩とともにますます発展していくであろう東京の地下鉄、これからも楽しみにしています!
取材後記
東京メトロは、おしゃれで統一された路線図や駅の表示が特徴的だなと思っていたんですが、これは営団時代に「分かりにくい」という乗客の声を受けて生まれたものなんだそうです。車体のラインと路線図の色も揃え、駅構内のマークも視認性のいいものになるよう工夫しているとか。色でいうと……銀座線はドイツの黄色い電車を踏襲したもの、丸ノ内線の赤は3代目総裁の鈴木清秀氏がニューヨークへ行く飛行機の中で見た赤いタバコ缶がもとになっているそうです。地下だから色を使って明るくしたい!という思いもあったそうです。開業当時に作られた黄色い(現在の)銀座線と、戦後初の地下鉄車両の赤い丸ノ内線は、今回取材でうかがった「地下鉄博物館」に展示されていました。めちゃくちゃかわいかったです!地下鉄博物館副館長の足立さん、学芸課長の玉川さん、東京メトロ広報部の野口さん、お忙しい中取材にご協力いただきありがとうございました!

DATA 地下鉄博物館
東京メトロ東西線の葛西駅の高架下にある地下鉄専門の博物館。新型コロナウィルス感染症の影響で、展示内容、開館時間や休館日は随時変更の可能性があります。訪問前にホームページなどでご確認を。入館料:大人220円、こども100円
住所 東京都江戸川区東葛西6-3-1
地下鉄博物館ホームページ
東京メトロホームページ


PROFILE
宮﨑香蓮(みやざき かれん)
1993年11月20日生まれ。2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」演技部門賞を受賞し、女優として活動中。NHK大河ドラマ『花燃ゆ』ではヒロインの幼馴染・入江すみ役として出演するなど、いま活躍を期待される若手女優の代表格。
【プロフィール】
●テレビ朝日毎週木曜20:00~放送、木曜ミステリー「遺留捜査」に出演中(滝沢綾子 役)
●「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2020」ジャパン部門ノミネート作品 「BENTHOS」主演(美嘉 役)
●東京2020オリンピック聖火リレー 長崎県内走行聖火ランナー

関連キーワード

PR情報

東京新聞ほっとWebの新着

記事一覧