終着は「どつく前」 古今亭駒治さん

2021年2月23日 07時04分
 ついに最終回、連載の終点に到着です。終着駅が前駅になっているのは、神戸市営地下鉄海岸線の「三宮・花時計前」や近江鉄道の「多賀大社前」など全国に20カ所。「駅前」と「運動公園前」を結ぶ豊橋鉄道市内線のように、起点と終点がどちらも前駅という稀有(けう)な例もあります。
 中でも終着駅感濃厚なのが、函館市電の「函館どつく前」=写真。電車のおでこに掲げられた行き先の「どつく前」が、初めは何のことか分かりませんでした。どつくとは船を造るドックのことで、1896年創業の函館どつくという会社の前駅です。津軽海峡に突き出た岬の北端に位置する会社の敷地は広大ですが、最も電停寄りの建物は電車を降りてすぐ。西に数百メートル行くと海なので、街の終着という雰囲気も漂っています。
 終着とはいえ、周辺は函館の中でも早く栄えた地区。ペリーの会見所跡が残っていたり、海から一本道が延びる丘の上には、旧イギリス領事館や旧函館区公会堂などの洋館が並んでいます。電停前には徳川幕府が外国船を攻撃するために造った弁天台場跡もあり、歴史の終わりと始まりが共存しています。終点と、どつくという船出の場所が隣り合うこの地に、ぴったりだなと思いました。

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