米国のコロナ死者50万人に 1人目の判明から1年足らず バイデン氏「悲惨で心痛む節目」

2021年2月23日 19時29分

22日、米ワシントンで、新型コロナウイルスで亡くなった国民の追悼式典に臨む(前列左から)バイデン大統領とジル夫人、ハリス副大統領と夫のエムホフ氏=AP

【ニューヨーク=杉藤貴浩】米ジョンズ・ホプキンズ大によると、米国の新型コロナウイルスによる死者が22日、累計50万人を超えた。足元の感染者数は減少傾向だが、収束に向けてはワクチンの迅速な普及が鍵。感染力の強い変異株の広がりも懸念され、供給能力の強化や人種間の不均衡解消などが求められる。
 米国では昨年2月29日にコロナによる死者が初めて報告された。その後は東部ニューヨーク州などで感染が爆発。今冬は全米で4000人以上の死者を出す日も続出するなど感染拡大が止まらず、1年弱で50万人に達した。世界人口の4%にすぎない米国が全死者の20%を占め、世界最多。累計感染者は2800万人超。
 バイデン大統領は22日、ホワイトハウスで開いた追悼式典で「悲惨で心痛む節目を迎えた。コロナによって1年間に第1次と第2次大戦、ベトナム戦争を合わせた以上の米国民が亡くなってしまった」と演説。「われわれはこのような残酷な運命を受け入れるわけにはいかない」と収束に向けた決意を示した。
 米国では昨年12月にワクチン接種が始まり、今年2月上旬には全国民の1割が初回の接種を済ませた。バイデン政権は7月末までに全国民へ広げることを目指す。ただ、接種の進捗は州や人種、世代などによってばらつきがあり、見通しは不透明だ。
 米メディアによると、製造元からの出荷遅れや寒波の影響で、ワクチンの供給は多くの州で不足気味。供給があっても、大半の接種予約にはインターネットが必要となるため、不慣れな高齢者への支援も課題となっている。若年層にも接種を待望する人々は多く、南部フロリダ州では、30代と40代の女性2人が帽子やメガネで優先度の高い高齢者に変装した事例が発覚し、物議を醸した。
 一方、白人中心の医療制度への不信感などから、黒人やヒスパニック系はコロナ被害の大きさにもかかわらず接種への抵抗感が強いとされる。ニューヨーク市は、人種的少数派が多い地区専用の巨大ワクチン会場を設置するなど各地で平等な接種が模索されている。
 感染力が強い英国や南アフリカ由来の変異株は米国内でも相次いで見つかっており、ワクチン接種の遅れで、コロナ禍が長期化する恐れもある。バイデン政権のコロナ対策医療顧問トップのファウチ国立アレルギー感染症研究所長は21日、CNN番組で「われわれは来年もマスクをする必要があるかもしれない」と楽観論を戒めた。

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