外国人労働者 コロナ禍で解雇増えているのに… 受け入れ続ける矛盾に見直し求める声<入国緩和の実態>

2021年2月24日 06時00分
 外国人労働者は政府の入国緩和で流入が続く一方、コロナ禍での解雇が増えている。失職して生活困窮に陥る人が続出しているのに、人手不足を理由に技能実習生や留学生を場当たり的に受け入れ続けた矛盾は否めない。支援団体は外国人労働政策の抜本的な見直しの必要性を訴えている。(山田晃史)

◆解雇されても人手不足の産業に移れず

 「解雇された外国人は、人手不足の産業に移動できていない。政府はそれなのにどんどん入国させている」。外国人を支援するNPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」の鳥井一平代表理事は、外国人労働の現状を説明する。
 政府はコロナ変異株の広がりを受けて入国緩和を昨年末に停止した一方、実習生と留学生の入国が多いベトナムや中国など11カ国・地域との往来は例外的に認めた。菅義偉首相は緩和の継続にこだわったが、与野党議員から全面停止を求める声が続出。結局、緊急事態宣言中の1月13日に全面停止を表明した。

◆「低賃金自実習生」に頼る中小企業に配慮

 継続に固執した主因は、低賃金の実習生らに頼る中小企業の人手不足とみられる。外国人の人材紹介を担う行政書士は「労働力不足のまま稼働する企業が大変困っている」と明かす。
 特に実習生は解雇者が昨年3月~今年1月上旬までに5666人と増え続けているのに、転職が原則認められていない。コロナ禍を理由に解雇された時には転職できる特例ができたが、周知がされず介護や農業など人手不足産業への移行は進んでいない。

◆学費などで借金背負わされ 失職すると生活困窮

 留学生は学費などで借金を背負う人が多く、大半がアルバイトをして小売業や飲食業の現場を支える。実習生と同様に失職すると帰国もできず生活困窮に陥りやすいのに、なし崩し的に新たな入国が続いた。
 鳥井氏は「技能実習制度を廃止し、転職の自由も認める正式な労働者として外国人を受け入れる体制を整えるなど、抜本的な政策の立て直しが必要だ」と指摘している。

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