<学校と新聞>NIE 二つのカタチ 大切な「読む日常」と「気付き」

2021年2月24日 07時14分

ロングNIEタイムについての水木先生の発表画面から

 NIE全国大会東京大会のシンポジウム(昨年十一月開催、特設サイトでの動画視聴が今月末まで可)で登壇した二人の先生はNIEの二つのカタチを示しました。一部を紹介します。
 お二人は都立青山高等学校主幹教諭の本杉宏志先生と、足立区立西新井小学校の水木智香子先生です。本杉先生は日本史を専門とする社会科のベテラン。水木先生は本年度八年目で、初任時からNIEに取り組み初異動を経て一年目です。
 昨年春のコロナ下の状況を聞くと、水木先生からは意外な答えが返ってきました。「時間があったので、学校で複数の新聞をゆっくり読んでいました」。なんとも頼もしい。前任校との違いを聞いてみると「今の子どもたちは真面目に課題に取り組みます。ただ、ほとんどの子は新聞を読んだことがありません。前任校では新聞を読み感想を書く『NIEタイム』を続けてきているので、常に課題意識をもっていました」。
 「今後、実践してみたいことは?」と聞くと、本杉先生は、国家間の問題についてオンラインで「中国や韓国の生徒と意見交流をしたい」「新聞を読み比べて多面的・多角的な考え方を育てたい」とチャレンジしたいことが尽きません。
 本杉先生は今までで印象深かったNIE実践について、生徒の心に潜むジェンダーの問題をあぶり出した授業を挙げました。
 それは新聞で学んだ後、サザエさん一家の即興劇をさせ、「働きたい」と言うサザエさんに、マスオ役が思わず「オレの稼ぎじゃ少ないのか」と口走ったことで、性差意識に気付かせたという事例です。
 一方、水木先生は通常は十五分ほどの「NIEタイム」の時間を延長して盛んに意見交流会をしたという「ロングNIEタイム」の授業を挙げました。
 「ここでの対話的な学びが生き、学習全般の話し合いの質が向上しました」と話す水木先生は「NIEは教師も育てます」とも指摘してくれました。
 本杉先生の語る新聞を活用した授業のカタチと、水木先生が語る新聞を読む日常のカタチは、まさにこれからのNIEの方向性といえるでしょう。
 コロナ禍であろうとなかろうとNIEの必要性を痛感した時間でした。(日本新聞協会NIEコーディネーター 関口修司)

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