「美食の街」リヨンの給食がベジタリアンメニューに フランス政府が批判する背景は

2021年2月24日 18時51分

街の顔であるポール・ボキューズが壁画に描かれている=フランス・リヨン市

 【パリ=谷悠己】フランス南東部リヨンの市当局が、新型コロナウイルス感染対策を理由に学校給食から肉類を外してベジタリアン(菜食主義者)メニューに変え、仏政府の閣僚らから猛批判を受けている。仏メディアによると、背景には政治的な対立がある。
 仏料理界の巨匠ポール・ボキューズ氏(故人)を生んだ「美食の街」として知られるリヨン市は22日から、従来は宗教的理由などで肉類の有無が選べた学校給食を、肉類なしに限った提供に変更した。
 配膳の簡素化により給食担当職員が社会的距離を取りやすくなるのが狙いだが、閣僚らは「食肉農家への冒とくだ」(ダルマナン内相)、「給食に政治的イデオロギーを持ち込むな」(ドノルマンディー農相)などと一斉に批判を展開した。
 リヨン市のドゥセ市長は昨年6月の統一地方選で躍進した環境政党「ヨーロッパエコロジー・緑の党」(EELV)所属。支持が伸び悩むマクロン大統領率いる与党「共和国前進」にとって、6月の地方議会選で有力なライバルに当たる。
 マクロン政権の初代内相を務めたコロン前市長も昨春の感染拡大時に同じ給食変更措置を取っていたが、ドゥセ氏はツイッターに「当時はこうした批判は聞かれなかった」と投稿し、政府の対応を問題視した。

関連キーワード

PR情報