東北新社から接待、違法と認める 総務省が11人処分 首相「長男が関係、国民におわび」

2021年2月25日 06時00分
接待を受けた総務省幹部の処分についての記者会見で、厳しい表情の武田総務相=24日午後、総務省で

接待を受けた総務省幹部の処分についての記者会見で、厳しい表情の武田総務相=24日午後、総務省で

 菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で、総務省は24日、利害関係者からの違法接待と認め、次官級の谷脇康彦、吉田真人両総務審議官を減給10分の2(3カ月)の懲戒とするなど計11人を処分した。首相は、総務審議官当時に接待を受けた山田真貴子内閣広報官を厳重注意し、山田氏は給与10分の2の3カ月分に相当する額を自主返納する。調査報告では、正剛氏の存在が「会食に影響を及ぼした事実は確認できなかった」としたが、野党は官民癒着の背景に首相への忖度(そんたく)があるとみて追及を続ける方針だ。
 許認可事業を行うなどの利害関係者から接待を受けたり、金品を贈られたりすることを禁じる国家公務員倫理規程違反だと認定したことに伴う処分。山田氏は和牛ステーキや海鮮料理で1人当たり約7万4000円の最も高額な接待を受けていたが、既に総務省を退職して法令上の処分対象にならない。「責任を痛感している」として、給与返納を申し出たという。
 首相は官邸で記者団に「私の長男が関係して、結果的に国家公務員法違反の行為をさせてしまったことは大変申し訳なく、国民におわびしたい」と陳謝。山田氏の処遇に関しては「今回のことを真摯(しんし)に反省し、今後とも頑張ってほしい。女性広報官として期待している」と語った。

◆山田広報官を25日に国会招致

 武田良太総務相は記者会見で「多数の幹部職員が倫理法令に違反した行為を複数回行った責任を痛感している。組織的、構造的問題という指摘も重く受け止めたい」と説明。黒田武一郎次官を厳重注意するとともに、自らも閣僚給与を3カ月分、自主返納する。
 調査結果の報告書では、接待が繰り返された理由について、出席した幹部らが都合よく利害関係者に該当しないと判断したことや、職務上の関係がなくても社会通念を超える過度な接待は許されないことを認識していなかったと問題点を挙げた。武田氏は一連の会食が放送行政に影響を与えたかを検証するため、副大臣をトップとする検証委員会を立ち上げると表明。東北新社の子会社が手掛ける衛星放送の認定・更新などの過程を調査する。
 与野党は25日の衆院予算委員会に山田氏を参考人招致することで合意した。立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者会見で「この処分内容で国民が納得するとは思わない。官邸の姿勢が問われている」と批判した。(山口哲人、柚木まり)
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