「復興は国の責務」を一転明記 福島県「明確に記載すべき」野党「風化始まっているよう」の指摘受け

2021年2月26日 06時00分
 東京電力福島第一原発事故の被災地復興の在り方を考える政府の有識者検討会は25日、オンラインで開催した会合で、被災市町村の「復興・再生は国の責務」とする文言を盛り込んだ提言案を大筋で了承した。昨年11月に示された提言概要案では、2015年の前回提言にあった「国の責務」の文言の記載がなかったが、福島県側からの指摘などがあり、一転して明記した。
 提言は田村市、南相馬市など原発周辺の県内12市町村の30~40年後の姿を展望するのが目的で、初めて改定される。今回の案では「復興・再生は、国の責務として実現しなければならない最大の使命である」と記述。産業の再生・発展や住民主体の地域社会を構築していくことの重要性などを盛り込んだ。
 「国の責務」が消えたことを巡っては、作成した復興庁の事務方は意図的な削除ではないと説明したが、福島県側が「明確に記載すべきだ」と主張。野党からも「風化が始まっているように見えてならない」(立憲民主党の枝野幸男代表)との声が上がり、復興庁で対応を検討していた。
 検討会座長の大西隆・東大名誉教授は「国の責務は(福島の復興・再生に関する)基本方針や法律に書かれている。揺るがしようがない考え方だ」と強調した。(中根政人)

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