聖火リレー、感染状況読めず各県苦悩 栃木、群馬は2週間前に判断

2021年2月25日 21時10分
国立競技場(奥)と五輪マークのモニュメント=東京都新宿区で

国立競技場(奥)と五輪マークのモニュメント=東京都新宿区で

 聖火リレーの実施の可否は、都道府県ごとに出発の1カ月前に決める―。東京五輪・パラリンピック組織委員会が原則を示したが、「1カ月先の感染状況を予測するのは難しい」と判断に苦慮する自治体もある。
 全国のリレーの出発地となる福島県。昨年、延期決定が出発2日前になったため、約2億5000万円の予算の多くが無駄に。担当者は「中止するなら、できるだけ早く決めた方がいい」と組織委の基準に理解を示した。

◆「外出自粛要請中に実施の判断できない」

 一方、新型コロナウイルス感染症が収束していない地域では、住民の不安を考慮し、「1カ月前」という実施判断時期の原則が形骸化する動きも。栃木県の判断時期は本来なら今月下旬のはずだが、県担当者によると、1週間早い今月19日に、組織委から「予定通り公道でリレーをしたい」と打診があったという。
 県は3月7日まで外出自粛を要請しており、「県民の移動を制限している中、実施の決定はできない」と組織委に反論。感染者が順調に減れば外出自粛要請が解除される「出発2週間前」に判断を先送りすることで落ち着いた。
 3月8日まで外出自粛を求めている群馬県の担当者は「安全が最優先。2週間前という線引きをせず、実施できるかを見極めたい」と慎重だ。

◆島根は全国巡回する組織委スタッフを不安視

 聖火リレーの中止は大会の機運に水を差すため、組織委としては避けたいシナリオ。また、広告入りの車両を走らせたり、沿道でグッズを配る予定のスポンサーも同様だ。
 全国で唯一、リレー中止を検討する島根県は、聖火とともに全国を回る400~500人の組織委スタッフを不安視する。担当者は「ウイルスが持ち込まれるリスクはある」と懸念した。(原田遼)

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