<新型コロナ>緊急事態宣言、1都3県は早期解除見送り 新規感染者の減り方鈍化 変異株の懸念も

2021年2月26日 06時00分
 
 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が、大阪府や愛知県などで月内に解除される見通しだ。政府は26日、諮問委員会の意見を踏まえて判断する。東京と神奈川、埼玉、千葉の1都3県の早期解除は見送る。新規感染者の減り方が鈍り、医療機関への負担が続いていることが主な理由だ。専門家は変異株の広がりも懸念している。(原昌志、松尾博史、井上靖史、藤川大樹)

◆「気の緩み」加速を懸念

 東京都の小池百合子都知事は24日の都議会本会議で、「今ここで徹底的に抑え込み、再拡大を招かないことだ」と訴えた。小池知事は、早期の解除は「気の緩み」を加速させるメッセージになりかねないと警戒している。
 都は7日間平均の新規感染者を継続して3割減らし、「3月初旬に1日当たりの新規感染者を140人以下にする」目標を掲げる。だが、18日以降、3割の目標を達成できず、最近は7日間平均の新規感染者は300人前後で推移する。
 厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」座長の脇田隆字・国立感染症研究所長も24日、「首都圏の1都3県は数字的に悪い」と指摘した。特に、千葉県は23日までの7日間平均で、新規感染者数が1・03倍に増えている。

◆「リバウンドさせないことが大事」

 23日の1都3県知事のテレビ会議で、宣言終了期限の3月7日までのコロナ対策継続を確認した。会議後、小池知事は「リバウンドしてしまうと、また苦しい思いをしなければならない」と力説した。
 脇田座長も考え方は同じだ。「積極的なPCR検査や疫学調査で感染源を探せる水準まで新規感染者数を下げ、リバウンドさせないことが大事」と言う。
 医療機関の負担が減っていないという問題もある。都内では25日時点で、1812人が入院中。いまだに昨夏の「第2波」ピークを上回る。新規感染者の高齢者比率が増えて入院も増えた。60代以上の入院患者は昨秋は全体の約5割だったが、最近は約7割を占める。
 コロナ患者の診療だけにとどまらない。コロナ用病床は、一般病床を転用しているものも多く、都の専門家によるモニタリング会議は「救急受け入れ困難や予定手術の延期などが生じている」と指摘する。

◆感染力強い変異株に置き換わる可能性も

 24日の専門家会議の会合では、大阪や愛知などでの宣言の先行解除にも不安を覚えるメンバーが多かった。理由の一つは英国や南アフリカなどの変異株の存在だ。
 昨年12月25日、羽田と関西の空港検疫で5人の変異株への感染者が見つかった。その後、海外に出かけていない人への感染が確認され、クラスター(感染者集団)も発生した。
 今月25日までに17都府県に広がり、感染者は計202人に増えた。脇田座長は「各国の状況を見ていると、従来株から早晩(変異株に)置き換わる可能性はあると考えている」と指摘した。
 変異株は従来株よりも感染力が強いとされ、感染を急拡大させる恐れもある。3月は歓送迎会や花見などの宴会のシーズンでもあり、専門家会議のメンバーは警戒感を強めている。

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