足利山林火災 火勢衰えず、南北拡大 避難勧告対象を207世帯に

2021年2月26日 07時20分

迫る火の手を不安げに見つめる足利市今福町の住民

 足利市の山林火災は、発生五日目の二十五日も燃え続け、延焼面積は約百ヘクタール(午後六時現在)に拡大した。火元の両崖(りょうがい)山山頂付近から大きく西側に広がった火の手は範囲を北と南にも拡大。北側は北関東自動車道を覆う山林を越え、南は今福町の民家まであと五百メートルの地点まで迫った。市は国に緊急消防援助隊の出動を要請、近く派遣される東京消防庁の指揮支援隊が今後、火災対策の指揮を執る。
 「火は北関道を越えてしまった。南側の今福町にも煙が下りてきた」。二十五日夕、記者会見した和泉聡市長は困惑の表情を浮かべた。これまでにけが人は出ていないが「煙を吸い込んで気分が悪い」と訴える市民がいたという。
 市外十五自治体から約百五十人の消防隊員が支援に駆けつけた。自衛隊や自治体防災ヘリコプターも上空から放水を繰り返した。市は五カ所の防衛線を設定したが、北側の大月防衛線は早々に突破された。避難勧告の対象は同日朝、北関道に近い大岩町の一部を加えて二百七世帯に増えた。
 今福町の須田淳一さん(67)は「北の山が赤々と染まって迫ってくる。生きた心地がしなかった」と前夜を振り返り、煙が立ち上る山を見つめながら「できるのは家や庭に水をまいて飛び火に備えるぐらいだ」とつぶやいた。
 大岩町の住宅街ではヘリの放水が風に流され雨のように降っていた。避難勧告を知らされた女性(89)は「主人の体調が優れず、逃げろと言われても困る」と話した。 (梅村武史)

赤線の範囲が延焼地。オレンジは避難勧告対象区域。その間は市設定の防衛線=25日午後2時現在、写真は一部加工


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