<コロナ緊急事態>感染者傾向 数字だけで判断難しい 川崎市健康安全研究所・岡部信彦所長に聞く

2020年5月21日 02時00分

岡部信彦所長(川崎市提供)

 県を含む首都圏は、緊急事態宣言が延長されて外出自粛や休業要請が長引き、精神的、経済的に厳しい状況が続いている。新型コロナウイルスの新たな感染者数が減るなど変化も見える中、政府の専門家会議メンバーでもある岡部信彦・川崎市健康安全研究所長に県内の状況や今後の注意点を聞いた。 (聞き手・石原真樹)
 県内の感染者数は減少傾向が続き、院内感染のケースが多くなっている。どう見ているか
 院内感染をたどると、市中で感染した人が病院に入ったケースだけでなく、他県や他の病院で感染していた場合もあり得る。新規感染が院内感染ばかりだから市中感染が起きていないとも、逆に感染経路不明が多いから市中感染が広がっているとも、数字だけで判断するのは難しい。
 他県で緊急事態宣言が解除され、県内でも繁華街に人出が戻るなど自粛の緩みが指摘されている
 ずっと「がちがち」でいるのは大変。でも、三月の三連休でお花見などに出掛け、感染者が増えた、あの苦い経験を思い出してほしい。感染が増えたらまた逆戻りすることになる。患者が増えれば重症者も増え、医療に負荷がかかる。
 学校再開は難しいか
 世界的に見ても子どもの発症数は少ないし、重症になる割合も少ない。リスクはゼロでないが、低い。教育の重要性、子どもの情緒、保護者の負担などを考えたら、三密を避けながら、再開した方が良いというのが僕の考え。
 生活する上で気を付けることは何か
 発症一~二日前の人が他人に感染させることがあることが分かっている。「自分が感染しているかもしれない」という前提で、常に三密を避け続ける必要がある。人と人との距離を一~二メートル離す「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)」は感染症予防の基本だ。
 ただ、これを続けたら感染症は抑えられるかもしれないが無味乾燥な社会になる。赤ちゃんはやはりぺたぺた触って育てるもの。人間らしさには接触が必要。
 少しずつウイルスや病気のことが解明され、診断法や治療薬、少し先にワクチンもできる。我慢は必要な段階だが、いつまでも続くわけではない。希望を持ってほしい。

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