菅首相、まさかの「ぶら下がり」対応 緊急宣言一部解除でも会見なし 司会の山田広報官隠し?

2021年2月27日 06時00分
 菅義偉首相は26日、新型コロナウイルス緊急事態宣言の一部解除に合わせた記者会見を見送った。まだ感染の全体状況を見極めて、国民に説明できる段階ではないというのが理由だが、与党からも疑問の声が上がる。会見の司会は、首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」から高額接待を受けた山田真貴子内閣広報官が務めることになっており、野党は「山田氏隠しだ」と反発している。(村上一樹、清水俊介)

◆説明すべき情報は多く

 記者会見でなく、記者団の前で質問に答える「ぶら下がり」形式で対応した首相は、昨年4~5月の緊急事態宣言中、関西3府県を解除した際の首相対応が「ぶら下がり」だったことに言及。前例踏襲との認識を示し、会見は「全体を見た上で判断すべきだ」と繰り返したが、当時は東京高検検事長の賭けマージャン問題で政権が追及を受けていた時期だった。
 首相は緊急事態宣言を巡り、1都3県への発令を表明した1月7日、7府県を加えた13日、栃木県を除き1カ月延長した2月2日の3回、記者会見を開催している。
 今回の解除で、政府はようやくステージ3に下がり、なお病床の使用率が高い福岡県を含めるか判断を迷っていた。専門家は「ステージ2まで下げるのが非常に重要だ」と指摘していたが、解除に踏み切った根拠や理由は何か。感染再拡大の可能性や残る1都3県の展望、ワクチン接種の見通し…。首相自らが国民に伝えるべき情報は多い。
 首相は福岡の解除に関し「妥当だった。病床も基準を満たしている」と説明し、1都3県については「解除に全力を挙げる」と述べたが、説明を尽くしたとは言い難い。
 自民党幹部は「堂々と会見すれば良かった」と残念がり、立憲民主党の枝野幸男代表は「責任放棄だ」と批判した。

◆国民にお願いしているのに…

 宣言を巡る国会での説明や会見に定まった基準はない。
 1月の再発令時、衆参両院の議院運営委員会での政府の説明では、野党が首相の出席を求めたのに対し、与党は拒否。昨年の宣言発令時に安倍晋三首相(当時)が説明して以降、西村康稔経済再生担当相が議運委に出席していたため「その延長線上の話」と理由を説明していた。
 しかし、2月の宣言延長の際、議運委には西村氏ではなく首相が出席した。宣言下の与党議員による深夜のクラブ訪問を謝罪するためで「前例」は覆った。
 記者団が「国民に(我慢を)お願いしているのに、会見しないで協力を得られると思うか」と問うと、首相は「ぶら下がりをやっている」と反論した。

◆「逃げているよう」自民からも批判

 会見見送りには、山田広報官の接待問題が影響しているとの見方がくすぶる。首相は山田氏との関連は「全くない」と全面否定したが、立民の辻元清美副代表は記者団に「山田氏隠しのためだ」と批判。自民党からも「逃げているように見える」(ベテラン議員)との声が上がる。
 官邸側は当初、記者会見の準備を進めていたが、方針を切り替えた。内閣記者会の幹事社による会見の申し入れも拒否。幹事社は宣言以外の諸問題も問いたいと伝えたが「官房長官や各閣僚の会見などを通じ説明してきている」とした。
 立民の小川淳也氏は26日の衆院議運委で主張した。「(山田氏を)続投させた誤った判断が会見の差し障りになっている。本末転倒だ。更迭すべきだ」

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