柴又駅前の商業施設が一部オープン 「風景の国宝」に配慮、ファミマの看板は茶色に

2021年2月27日 06時00分
 商業施設の建設が進められている京成線柴又駅前(東京都葛飾区)で26日、一部店舗がオープンした。映画「男はつらいよ」で親しまれた昭和の雰囲気を一変させる計画には当初から異論があり、計画は再検討を経た上で実現した。

周囲の景観に配慮し、柴又駅前に開業した商業施設。中央の「三河屋」前に「寅さん像」、右端に「さくら像」がある=26日、東京都葛飾区で

◆レトロな平屋店舗が消え

 「寅さん像」や「さくら像」が立ち並び、レトロな平屋店舗が軒を連ねていた駅前広場は、一部2階建ての現代的な商業施設に建て替えられた。仮店舗で営業していた古くからの今川焼き店「三河屋」のほか、ファミリーマートとタリーズコーヒーの計3店舗がこの日開店した。
 三河屋では昼時に行列ができた。50年近く通っている近所の斉藤初江さん(73)は「昔の雰囲気がなくなるのは寂しいが、この前も地震があったので、防災面が強化されて良かった」と話していた。

◆ファミマの看板が茶色の訳

 一帯は「風景の国宝」とも呼ばれる国の「重要文化的景観」に選ばれている。関係者によると事業者の京成電鉄の当初案は総2階建てだったが、区の有識者会議で反対意見があり、「男はつらいよ」の山田洋次監督(89)も「柴又の良さが失われる」と懸念していた。
 これらの声を受け、京成電鉄は数回の設計変更を経て着工にこぎつけた。施設は一部2階建てとし、ファミマは景観に配慮して茶色を基調にした看板を取り付けた。残りの2店舗は6月の開店予定で、再開発前にこの地で営業していた居酒屋と立ち食いそば店が入る。 (加藤健太)

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