公害、原発 闘う人生 江古田映画祭の実行委が写真家のドキュメンタリー制作 「闇に消されてなるものか」上映会

2021年2月27日 07時11分

樋口さんを撮影する永田監督(左)。右はナレーションを担当した実行委メンバーの野村瑞枝さん=国分寺市で(江古田映画祭実行委提供)

 練馬区で開かれてきた「江古田映画祭」の実行委員会が、ドキュメンタリー映画の制作に挑戦し、二十七日に開幕する今年の映画祭で上映する。タイトルは「闇に消されてなるものか〜写真家・樋口健二の世界」。原発労働者ら苦しむ人と歩み、闘ってきた報道写真家の人生を追った。 (石原真樹)
 映画は昨年十一月、実行委メンバーが国分寺市にある樋口健二さん(83)の自宅を訪ねる場面で始まる。樋口さんは自身を「売れない写真家」と笑う。仕事を求めて川崎に下宿。隣人のぜんそくがきっかけで公害に関心を持ち、大気汚染公害の起きた三重県四日市市、戦争中に毒ガスが製造された広島県大久野島、原発労働者へと取材が続く人生を語る。そして福島の原発事故−。
 江古田と樋口さんの縁は二〇一二年にさかのぼる。新宿のニコンサロンで慰安婦を題材にした韓国人写真家・安世鴻(アンセホン)さんの写真展が中止の通告を受けた際、多くの写真家が沈黙する中で樋口さんはいち早く「おかしい」と声を上げた。
 その後、ギャラリー古藤(ふるとう)で開かれた安さんの写真展のトークイベントに樋口さんが登壇し、表現の自由を守る大切さを訴えた。この写真展が、一五年一月に同ギャラリーで開かれた「表現の不自由展〜消されたものたち」につながった。
 映画制作を提案したのは実行委代表の永田浩三武蔵大教授(66)で、監督を務めた。映画を見たメンバーから、一七年に死去した妻節子さんとの逸話が良かったとの感想があったといい「節子さんを『協働者』と呼び、樋口さんはとても大切にされている。映画は、共に闘った二人の物語にもなっている」と話す。
 「闇に消されてなるものか〜写真家・樋口健二の世界」は、ギャラリー古藤=練馬区栄町九の十六=で上映する。三月二日が満席、十二日午後一時の回も残席わずか。十三日午後一時から追加上映する。
 映画祭は同ギャラリーと武蔵大で十二日まで開催。チケットは大人予約千円など。詳細はホームページ=http://furuto.info/=へ。

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