東海村でJRR−3再稼働 ブランク10年、不安の声も 「はやぶさ2」試料分析など予定 

2021年2月27日 07時18分

新規制基準に基づき、原子炉建屋(右)の屋根と排気筒(左)の耐震補強工事を実施したJRR−3

 日本原子力研究開発機構は二十六日、原子力科学研究所(東海村)の試験研究炉「JRR−3」を約十年三カ月ぶりに再稼働した。核燃料の核分裂で発生する中性子を、医療や農業などさまざまな目的で利用するほか、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った試料分析への活用も予定する。ただ、十年以上も動いていない原子炉の再稼働には不安も根強い。 (宮尾幹成)
 機構はこの日、定期事業者検査の最終検査を実施。定格出力(熱出力二万キロワット)で原子炉をフル稼働し、核燃料の破損がないかなどをチェックした。午後二時十七分、機構の検査員が、中央制御室内の運転員らに「合格」を言い渡した。
 本格的な利用再開は六月ごろの見通し。「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から採取した小石や砂などの組成分析も、二〇二二年度以降に計画されている。
 大井川宏之所長は報道陣の取材に、「安全確保を大前提に運転していく。運転員の力量をしっかり確保して臨みたい」と強調した。
 機構が開いた地元の住民説明会では、参加者から「十年以上停止していた原子炉のトラブルが心配だ」などの懸念が多く出た。また共産党の県議団などからも同様の指摘があった。

中央制御室で定期事業者検査の最終検査を受ける運転員ら=いずれも東海村で

 この点について、大井川所長は「まだまだ地元とのコミュニケーションが不足していると感じた。しっかり強化して、理解を得ていきたい」と述べた。
 JRR−3は一九六二年に初臨界した国産初の試験研究炉。核燃料の照射実験や医療用放射性同位体の製造、農産物の産地同定などに使われてきた。現行の原子炉は「二代目」で、九〇年に初臨界。二〇一〇年十一月を最後に運転していない。
 一八年十一月、新規制基準に適合するための設置変更許可を取得。その後、原子炉建屋の屋根や排気筒の耐震強化工事を実施し、原子力規制委員会の使用前検査などを経て、今月十五日から最終段階の事業者検査に入っていた。

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