山林火災で焼失 御嶽神社「再建を」 先祖代々信仰の田村さん

2021年2月27日 07時19分

全焼する前の御嶽神社(足利市教育委員会提供)

 足利市の山林火災で全焼した両崖山山頂の御岳(みたけ)神社(御嶽(おんたけ)神社)に心を痛める市民がいる。本紙栃木版に二〇〇四年から六年間、エッセー「四季つれづれ」を連載した同市本城在住の洋画家、田村直樹さん(70)。田村さんは「火事が落ち着いたら駆け上りたい気持ち。神様が焼け焦げのままでは忍びない」と話す。 (梅村武史)
 田村さんは先祖代々、同神社を信仰する集団「講」のリーダーである「先達(せんだつ)」の家に育ち、幼少のころから同神社に親しんできた。標高二五一メートルの両崖山には、長野県木曽町の御嶽山につながる山岳信仰があるといい、田村さんは「地元では『みたけ』とは読まず、『おんたけ』と読みます」と説明する。明治初期に、荒れ果てた山中に地元住民が、み霊を勧請したのが始まりという。
 かつて春の大祭は、周囲から多数の信者(講)が集って祝詞を上げ、大いににぎわったという。田村家には、約百人の講が一堂に会した戦前の写真も残っている。一九五〇年代、少年だった田村さんは荷上げを手伝って、お駄賃をもらった記憶があるという。
 両崖山山頂を見上げる田村さん宅の庭には、今も同神社の分祠(ぶんし)が残っている。「地元民にとって両崖山は神聖な場所。私一人の力ではどうにもできないが、興味を持つ人が増えて再建の道が開けるとうれしい」と話している。

自宅の御嶽神社分祠を前に両崖山山頂を望む田村直樹さん=いずれも足利市で


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