長泉町が新制度 がん患者就労支援で奨励金 中小企業対象

2021年2月27日 07時21分
 町独自のがん対策推進条例を制定している長泉町は二〇二一年度、がん患者の就労支援に取り組む町内の中小企業に奨励金を支給する制度を創設する。町によると、こうした取り組みは県内市町では初めてで、全国的にも極めて珍しいという。 (佐野周平)
 新制度では、町内在住のがん患者をハローワーク経由で半年以上雇う場合、所定労働時間に応じて企業に五十〜八十万円を支給。治療のため連続で一カ月以上休職する間も雇用を維持し、復職後に半年以上雇う場合は、四十〜六十万円を支給する。患者が町外在住の場合は、いずれも半額とする。
 町外在住の患者も適用対象にしたことに、担当者は「町在住の患者に限定するとかなり狭き門になる。企業が制度を利用しやすくするため」と説明する。
 県立静岡がんセンター(長泉町)で患者らの各種相談を受ける医療ソーシャルワーカーの杉山亮輔さんは「がん患者の就労支援に目が向けられるようになってから、まだ十年もたっていない。これまで行政は、企業の頑張りに頼る部分が大きかった」と指摘する。
 杉山さんによると、がんと診断されて一度は退職したものの、経済的問題や病状の改善などで再就職を希望する患者が一定数いる。ひと昔前に比べて減ってきているが、治療目的で長期の休職を希望すると、勤務先から退職を促される事例もあるという。
 杉山さんは「病状によっては、仕事内容や勤務時間などに制限が生まれる。特別な採用枠があるわけでもなく、一般求人から探すことになるので、働き口を見つけるのは簡単ではない」と、制度が創設される意義を説明する。

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