防災部門の常勤女性職員、28自治体で3割満たず 首都圏31市区で本紙アンケート

2021年2月28日 06時00分
<今、変化を 国際女性デー2021>
 首都圏の主な31自治体で、防災部門の常勤職員に女性が占める割合は最高でも35.7%で、9割に当たる28自治体で30%未満だったことが本紙のアンケートで分かった。各自治体の地域防災計画を作る地方防災会議の女性委員の割合も、全自治体で政府目標の30%に到達せず、10%未満が11自治体に上った。10年前の東日本大震災を機に、災害時の女性特有のニーズに対応できる体制づくりが求められてきたが、核となる組織の大半を男性が占める状況は変わっていない。(奥野斐)
 本紙は2月、首都圏6県の県庁所在地と政令市、東京23区の計31市区に調査票を送付、全自治体から回答を得た。

◆防災部門の女性職員の割合が最も高いのは東京都港区

 防災部門の常勤女性職員の割合は、最も高い東京都港区が14人中5人で35.7%。最低は常勤職員15人が全て男性の豊島区で0%。常勤女性が2、3人という自治体が多く、その弊害として「生理用品など必要な物がわからない」「避難所での洗濯物干し場や子どもへの対応の仕方など、具体的な提案が出にくい」といった意見があった。
 地方防災会議は、災害対策基本法に基づいて設置され、会長は首長が務める。同会議の女性委員割合は、豊島区が最高の25%、最低は墨田区の4%だった。
 委員は地域の公共機関や警察・消防の「長」らで構成されている。女性委員の割合の低さについて「組織の役職者に女性が少ないため」との回答が多数あった。「社会全体の管理職の女性割合を増やしていくことが必要」(荒川区)といった指摘も出た。

◆防災会議の女性委員比率30%の目標は25年へ先送り

 政府は2020年までに防災会議の女性委員比率を30%にすることを目標としてきたが、25年までに先延ばしした。今回の調査でも自治体の対応の遅れが浮き彫りになった。
 減災と男女共同参画研修推進センター共同代表の浅野幸子さんは「ジェンダーの不平等は災害リスクを広げる。平時から平等の視点を入れていくことが、災害リスクを減らすことにつながる」と指摘する。
 内閣府は昨年5月に発行した「災害対応力を強化する女性の視点」のガイドラインで、多様なニーズ・リスクへの対応力を高めるため、意思決定の場や防災現場の女性参画を進めるよう明記している。

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