<今、変化を 国際女性デー>防災部門 本紙調査 女性職員、16市町村でゼロ 県内自治体 防災会議委員は3割未満

2021年2月28日 06時54分
 県内三十三市町村のうちほぼ半数の十六市町村の防災部門に女性の常勤職員が一人もいないことが、本紙のアンケートで分かった。各自治体の地域防災計画をつくる地方防災会議の女性委員の割合も、政府目標の30%に達した市町村はなかった。東日本大震災から十年の節目が近づいているが、地域の防災に女性の視点が十分に反映される体制とは程遠い。 (杉戸祐子)
 アンケートは今月、首都圏一都六県の県庁所在地と政令市、東京二十三区の計三十一市区を対象にした調査と同じ内容で実施した。
 防災部門の女性の常勤職員数をゼロと回答したのは三浦、秦野、大和、綾瀬の四市と、葉山、真鶴以外の十二町村。一人は横須賀、鎌倉など十市町、二人は川崎、平塚など四市、三人は相模原、藤沢の二市。最多は横浜市の十一人だった。
 女性の割合が最も高かったのは真鶴町(25・0%)で、厚木市(22・2%)、逗子市(20・0%)が続いた。横浜市(8・7%)や川崎市(5・7%)を含めて三十市町村は20%未満。男性が大半を占める実態が浮かぶ。八人全員が男性だった三浦市と秦野市は「防災資機材の運搬や点検など、日頃から力仕事が多いため」などと説明。今後、女性が配置されるかは未定という。
 地方防災会議の女性委員の割合は、湯河原町(28・0%)が最も高く、小田原市(24・3%)、大井町(21・1%)が続いた。政府目標の30%どころか10%にも満たない自治体は十五市町村あった。
 低調の理由について、2・5%と最も低かった藤沢市は「条例で委員の選出機関を規定しているので、その人事方針に左右される」と説明する。委員を選出・推薦する機関の幹部に女性が少ないと指摘する自治体が多かった。大井町は「関係機関の女性登用状況がそのまま現れる」と答えた。
 打開策として、南足柄市は「委員を構成する自治会長、自主防災組織などで積極的に女性を任命するように努めている」、大和市、箱根町などは「学識経験者などで女性が選任されるよう働き掛けている」などと答えた。葉山町は「構成機関に民生委員や保健師を加えるなどの検討を行いたい」と回答。茅ケ崎市は「各機関で女性の責任者の割合が増すことが不可欠。社会全体の課題」と指摘した。
 また、避難所運営のマニュアルや指針に、女性の支援に関わる十一項目について記載があるか尋ねた。
 「妊産婦や乳幼児のいる女性への支援」「避難所運営への女性参画」は大半の自治体が「ある」と回答したが、「託児所の設置」があるのは六市町にとどまり、「おむつ替えスペース設置」「巡回警備・防犯ブザー配布」は約半数が「ない」と答えた。「女性への暴力やセクハラ対策」は十市町村が盛り込んでいなかった。
 トイレ以外の項目の記載を「なし」と回答した三浦市は「詳しいマニュアルは(地域から選ばれた委員と市職員などで構成される)避難所運営委員会ごとに作成しているため、市としては書いていない」と説明している。

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