わずかなワクチンどう配分する? 東京都では高齢者0.7%にしか行き渡らず<優先接種4月12日から>

2021年3月1日 06時00分
 新型コロナウイルスワクチンの65歳以上への優先接種が4月12日から一部で始まるが、各自治体へ届くワクチンはごく少量だ。感染者数が全国でも飛び抜けて多い東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県の担当者は「どこに配ったらいいのか」と頭を悩ませる。(小倉貞俊、飯田樹与、志村彰太、中谷秀樹)

◆「配分する自治体は、どうやって選ばれるの」

 都内で優先接種の対象となる高齢者は約310万人。都には4月中に3回に分け、ワクチン計44箱が供給される予定だ。1箱は195バイアル(瓶)入り。1瓶から5回分のワクチンを採取するので、1人2回接種として2万1450人分となり、当初は0.7%の人にしか行き渡らない計算だ。しかも12日までに到着見込みの第1便は約2000人分にすぎない。
 「ワクチンを配分する自治体は、どうやって選ばれるのか」
 都には複数の区市町村から、こうした問い合わせが相次いでいる。都によると、ワクチンは超低温での管理が必要なため、箱の中身を分散して配ることはできない。2回接種を前提とすると2箱を1組とするため、最大でも22自治体にしか届かない。

◆「これほどのワクチン不足 想定されず」

 小池百合子知事は「地域や自治体の皆さんの話を聞きながら進める。効率よく納得がいく方法はどういう形があるか、シミュレーションしていきたい」との姿勢だが、調整はこれから。

ベルギーから到着し、トラックへの積み替えのため並べられる新型コロナウイルスワクチンの輸入第2便の荷物=21日午前、成田空港

 都の担当者は「国からは自治体の人口や高齢者数、感染の広がりを参考にするよう示されている。早急に決めたい」と説明。ただ「当初はこれほどまでのワクチン不足が想定されていなかった。都よりむしろ、わずかな接種対象者を選ばねばならない区市町村の方が、よりシビアな対応を迫られかねない」と案じる。
 神奈川県にも4月中に44箱が届く。県は近く、市町村から場所や医療人材の確保など、接種に向けた準備が整っているかを聞き取るが、4月分は「あまり小分けにはしない」方針のため、配分先の市町村は限られる。聞き取った結果を基に、高齢者数や高齢者施設のクラスター(感染者集団)発生数などを判断材料に配分先を決める。

◆「丸投げされても…。どう配るか重い宿題」

 埼玉県の担当者は「試行的に行う量としても少なすぎる」とこぼす。県内の65歳以上の高齢者193万6000人に対し、第1便で届くのは約1000人分。配布先の基準も示されておらず「丸投げされても…。どう配るか重い宿題を課された」とため息をついた。
 千葉県の担当者は「早く市町村に伝えなければという思いもあるが、ワクチンをどのように配分するかは、今のところ全く未定」と話している。

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