孤独・孤立問題で内閣府に対策室、支援本格化へ 官民ネットワーク求める声相次ぐ

2021年3月1日 06時00分
 新型コロナウイルスの感染拡大で孤独・孤立問題が深刻さを増す中、政府は内閣府に対策室を設置し、支援策の検討を本格化させる。関係団体からは、政府に官民連携の強化などを求める声が上がっている。(坂田奈央)

◆菅首相も出席、NPO代表ら現状伝える

 菅義偉首相らが出席し、政府が25日に開いた緊急フォーラムで、NPO法人「あなたのいばしょ」の大空幸星(こうき)代表は、運営する24時間チャット相談窓口に今年1月以降、連日200人以上から連絡が入る現状を紹介した。相談内容はドメスティックバイオレンス(DV)や生活困窮、自殺願望など多岐にわたる。相談者に共通するのが「孤独」だという。大空代表は「(問題の)源流にアプローチする政策をとって」と首相らに訴えた。
 福祉施設や子ども食堂などに食品を提供する「全国フードバンク推進協議会」の米山広明事務局長は、加盟団体がこの5年で倍増するなど支援態勢は拡充しているものの「支援が必要な人が依然として助けを求めにくい、声を上げづらい状況がある」と報告した。
 他の出席者からも、政府の積極的な情報発信や、官民のネットワークづくりを求める意見が相次いだ。

◆「民間のつながりに任せてきた」

 社会活動家でNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の湯浅誠理事長は会合後、孤独対策について「本来、行政的に介入しづらい分野で、政府は基本的に民間のつながりに任せてきた」と記者団に語った。コロナ禍で「そう言っていられなくなってきた」と、今後は政府がより主体的にかかわる必要があると主張した。
 また自民党でこの問題に取り組む鈴木貴子衆院議員は、政府が検討している孤独・孤立政策について「対象がどういった層なのか具体性に欠ける」と指摘。まずは「孤独・孤立」をどう定義するかが課題になるとみている。

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