食に青の時代!? SNS映えが後押し

2021年3月1日 07時04分

鮮やかな青色のバタフライピー茶。レモン汁など酸性のものを加えると紫色になる

 真っ青なお茶にスイーツ、パン…。「食欲を減退させる色」とも言われる青色の食べ物が今年、ブームの兆しという。食べ物で「青」といえば、かき氷のブルーハワイぐらいしか思い浮かばない人も多いのでは。なぜ今、青なのか。日本の食卓に広がるのか。

バタフライピーの茶葉(molfon提供)

 色鮮やかな青いお茶の正体は、タイやラオスで美容に重用されてきたマメ科の植物、バタフライピーだ。最近は茶葉が手に入りやすくなり、会員制交流サイト(SNS)には料理やスイーツの写真の投稿も相次ぐ。チョウの形に似た花から抽出される青い茶は、レモンなど酸性のものと混ぜると紫色に変わる。
 「天然由来の色で、健康にもよく、写真映えする。強い味やにおいがなく、料理でアレンジしやすいのも魅力です」。ティーバッグや茶葉、粉末、バスソルトなどを通販するバタフライピー専門ブランド「molfon(モルフォン)」の堀之内大樹さん(23)が話す。今年に入り問い合わせが増え、昨年比四〜五倍の売り上げという。
 写真投稿アプリ「Instagram」に手作りの青いパンやサンドイッチの写真を投稿している愛知県のパート女性は「濃い青から水色まで、きれいに出るのでうれしい。紫色に変化するのも化学実験みたいで楽しいんです」。

青いパンケーキ=molfon提供、茶葉も

不二家「LOOK」シリーズ「青い宝石」=不二家提供

 大手菓子メーカーの不二家も、昨年十月にチョコレートの「LOOK」シリーズで、バタフライピーを使った商品を発売。コロナ禍で外出や外食を控える中、「見た目でも楽しめるように」と開発した。
 すでに販売は終了したが、再販希望が寄せられるほど反響は大きく、「五年前だったら売れなかったかも…」と広報担当者。SNSに写真を投稿する文化が定着し「見た目の驚きがより求められる時代になった」とみる。「好きなアイドルやキャラクターのイメージカラーが青色だから」という意外な反応もあったそうだ。
 料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」は、二〇二一年の食トレンド予測に「青いスイーツ・料理」を選んだ。「バタフライピー」の検索頻度が徐々に増え、バレンタインデー前には「チョコレート」と組み合わせての検索も目立ったという。
 クックパッドニュース編集部の植木優帆さんは「家で料理を楽しもうという動きの中、目新しい青い料理やスイーツに挑戦し、SNSに投稿する流れにつながったのでは」と推測。バタフライピーが手に入りやすくなったことも後押しした。「青色の広がりは、日本の食の色彩感覚が変わる転換点になると思います」

青いゼリーを使ったスイーツ =クックパッド提供

◆非日常感を演出 食行動の心理学者に聞く

 色と食べ物の関係を食行動の心理学が専門の東北大の坂井信之教授に聞いた。
−青色は食欲を減退させるといわれるが。
 一般的にそういわれているが、青色だから食欲がわかない科学的な根拠はない。身近にないので食べ慣れていないだけ。海外では青やピンクの濃い色の菓子なども小さい時から食べられているため、受け入れられている。一方、欧米では日本人にはなじみのある黒や紫色の食べ物は敬遠される。
−バタフライピーを使った青い食べ物が徐々に出てきている。
 日本ではまだ珍しいので試してみようという人はいるだろう。コロナ禍で、非日常感を演出したいと取り入れた人が多かったのでは。
−日本で定着するか。
 食べ物の好みは、命に直結するため、本来すごく保守的なもの。子どものころに経験したものでないとなかなか受け入れられない。青い食べ物が何年にもわたり日常に取り入れられるにはハードルは高い。

愛知県の女性(@moochossy)がInstagramに投稿した青いパンの写真=本人提供

 文・奥野斐/写真・隈崎稔樹
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