<かながわ未来人>CA経験生かしキャリア教育指導 相模女子大学学芸学部英語文化コミュニケーション学科教授・小泉京美(こいずみ・きょうみ)さん(61)

2021年3月1日 07時34分
 座右の銘は「夢は見るものではなく、かなえるためにある」。その言葉を今も追い続けている。
 高校時代に海外留学を経験し、将来の夢は「女性としてしっかり働き、海外に行ける仕事に就きたい」。就職時は男女雇用機会均等法の制定前で「商社に入っても女性は下働きしかさせてもらえない。ならば客室乗務員(CA)になって世界を見たい」と当時、国際線を運航していた日本航空(JAL)の門をくぐった。
 CA時代は将来のために視野を広げることに努めた。深夜のフライトで睡眠が満足にとれなくてもフライト先の街の散策が習慣になった。四十歳を前に教官となり、タイに二年間赴任して現地で人を教育する難しさに直面。「ならば、それを克服しよう」と帰国後にフライト業務を続けながら、立教大学大学院で学び、四十九歳で経営学修士(MBA)を取得。JALを退社し、二〇一〇年に相模原市の相模女子大学に赴任。五十歳の時だった。
 英語文化コミュニケーション学科で観光やキャリア教育を指導。「今までは自分を輝かせることを考えてきたが、ここでは人を輝かせることができる。大学は社会人になる最後のとりで。『出口』をしっかりつくってあげよう」と人材教育に力を注ぎ、学生の就職率を一気に高めた。
 CA時代に培ってきた人との接し方、礼儀作法、ホテルなど公共の場での行動なども伝授。ゼミの学生には各種のコンテストへの参加を義務付け、この十年間で五十以上の入賞を果たした。プレゼンテーションで人に考えを伝える能力が高まり、社会で評価された実績がその後の伸びしろになることが、学生たちの経験から分かっている。
 学生には、海外の子どもたちに車いすを送るボランティア活動への参加を通じて社会貢献にも携わらせてきた。
 新型コロナウイルスの感染拡大によりオンライン授業が主流となると、対面授業より学生との距離を近く感じてコミュニケーションを増やした。海外留学ができなくてもオンラインで海外の授業を受けることを推奨。「夢はかなえるためにある」という思考が、将来を夢見る学生たちの背中を力強く押している。
 聖火ランナーとして、六月に県内を走ることも決まっている。「開催されればコロナに勝利した記念すべきオリンピックになる。その誇りを聖火でつなげたい」 (安田栄治)
<海外に子ども用車椅子を送る会> 東京都福生市を拠点に活動するNPO法人。子どもの体の成長とともに使わなくなった国内の車いすを集め、東南アジアの国を中心に送る活動を行っている。相模女子大の学生もこの活動に参加し、毎年80台ほどをカンボジア、タイ、マレーシアなどに送っている。学生たちが手入れし、きれいに仕上げた車いすはこれまでに約640台を数え、海外の子どもたちの役に立っている。

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