<選ぶちば2021 千葉市政の課題>JR千葉駅周辺 中心市街地活性化の明暗

2021年3月2日 07時11分

商業施設と分譲マンションが整備される予定の三越千葉店跡(左)。奥に見えるJR千葉駅から人の流れがつくられるか、注目されている

 7日告示、21日投開票の千葉市長選で、千葉市は12年ぶりに市長が交代する。新型コロナウイルスや防災、少子高齢化対策など市政課題は山積する。中でもJR千葉駅周辺の中心市街地活性化事業は、長年の課題でありながら、エリアによって格差が生じている。 (太田理英子)
 千葉駅の東約六百メートルに位置し、市民会館と市中央公園を結ぶ栄町通り商店街。点在する日用品店や韓国料理店より、シャッターを下ろした空き店舗が目立つ。
 「戦後から飲食店が多い繁華街で、市外から盛装して訪れる人が多かった。バブル期もにぎわったけど、徐々に減った」。商店主の男性(70)は、人通りがまばらな商店街を見つめた。同商店街振興組合の関係者によると、最盛期は百七十軒ほどだった加盟店は、現在約三十軒。新型コロナの影響で売り上げが一〜二割に激減した店舗が多いという。男性は「活性化事業は千葉駅に一極集中してる。人の流れはやって来ず、取り残されてる」と嘆く。
 市が中心市街地活性化に取り組み始めたのは、二〇〇〇年代半ば。市郊外の大型商業施設の進出などに押され、千葉駅周辺の大手百貨店が低迷。未利用地などは〇六年には中心市街地の約13%を占めた。
 市は〇七〜一一年、千葉駅と県庁の間のエリアで高層マンションや官民複合施設「きぼーる」整備などの再開発事業を進め、この間に中心市街地の人口増加率は約130%に。一六年にはJR千葉駅の新駅舎と改札内商業施設「ペリエ千葉エキナカ」が一部開業し、駅前は一気に活気づいた。一方、同時期に千葉駅から徒歩圏内の千葉パルコ、三越千葉店が相次いで撤退。周辺の商店街も勢いを失い、明暗が分かれた。
 ちばぎん総合研究所(同市)が一九年末に実施した滞在人口の調査では、「千葉駅周辺」は前年比7・7%増と過去最多で、隣接する「千葉そごう周辺」はほぼ横ばい。「旧パルコ周辺」は、パルコ閉店直前の一六年十月と比べ、9・6%減だった。
 駅からの人の流れの呼び込みと波及効果を狙い、市は一六年に策定した千葉駅周辺活性化の方針「グランドデザイン」の中で、先行事業の一つとして市中央公園と千葉神社の間を参道のように整備する「門前町構想」を掲げる。二六年ごろの完了を目指すが、一部の用地はまだ取得の交渉段階で、先は見えない。
 一方、パルコと三越の跡地では、商業施設も入居するマンション建設計画が動き始めている。新たな居住者の増加は、にぎわい創出の鍵となる。同総研の担当者は「単にモノを売るだけでは難しい時代で、街歩きが楽しめる工夫が必要。イベント開催や、地域の歴史や文化をイメージした町づくりが大切だ」と強調。その上で、「空き店舗の活用など、事業者を後押しする支援策を考えるのは行政の役割だ」と指摘する。
 いかに「千葉市の顔」となる中心市街地の未来を描くのか。新市長の手腕が問われる。

空き店舗が目立つ栄町通り商店街。土曜日の日中も、人通りはまばらだった=いずれも千葉市中央区で


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