今知りたい新型コロナワクチン接種 さまざまな疑問にできる限り答えます

2021年3月2日 12時00分
 新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。米ファイザー製のワクチンの有効性は高く、「20分の1にリスクを下げる」が、絶対に感染しなくなるわけではない。接種後は、マスクを着用しなくてよいのか。「副反応」を心配する人もいるが、打ちたくなければ、拒否できるのか。いつ、どこで接種できるのか、など、さまざまな疑問に、できる限りお答えします。 (藤川大樹、曽田晋太郎、小坂井文彦)

◆私はいつ打てる?

 国立病院機構の医療従事者ら約4万人に、ワクチン接種が始まったのは2月17日。接種対象は3月中旬から、新型コロナの診療に関わる医療従事者ら約470万人に拡大される。
 高齢者(1957年4月1日以前に生まれた約3600万人)への接種は4月12日から。ワクチン不足から、まず約5万人限定で始める。人口の多い東京都、神奈川県、大阪府は約2000人、ほかの道府県は約1000人が接種する見込み。
 政府は、同19日の週までに高齢者約50万人分、6月末までに高齢者全員分のワクチンを全ての区市町村に届けるとしている。
 高齢者の後、基礎疾患のある人ら(約820万人)と高齢者施設などで働く職員ら(約200万人)への接種を開始。基礎疾患の有無は、接種希望者が区市町村に自己申告する。その後は60~64歳、16~59歳の順だが、早くても7月以降になりそうだ。

◆住民票を移してないんだけど…?

 市民のワクチン接種の管理は、市区町村が受け持つ。希望者は原則、住民票のある自治体で接種するが、ドメスティックバイオレンス(DV)で避難中、単身赴任、大学進学などで住民票を移していなくても、住んでいる自治体に申請すれば接種できる。
 接種は大別すると、診療所や病院での個別接種と、体育館などの特設会場での集団接種の2通り。東京都練馬区など、2つを併用する自治体もあるが、集団接種だけの自治体もある。
 郵送で届く2回分の接種券(クーポン券)で、希望する接種場所を選び、電話かインターネットで予約する。券は高齢者には早ければ3月下旬に届く。接種後、終了シールが貼られるので、券は「接種済証」にもなる。
 高齢者施設に入居中の人や、寝たきりなどで外出が難しい人は、医師が訪問して接種する予定だ。

◆打たなきゃいけないの?

 新型コロナワクチンの接種は予防接種法で、疫病のまん延を予防するための「臨時接種」に位置付けられた。妊婦を除く、16歳以上の接種は「努力義務」。義務ではなく、接種するかは本人が判断する。打たなくても罰則はない。
 治験結果がなく、胎児への影響は不明。妊婦は接種するか、医師と相談した方がよい。日本産婦人科感染症学会と日本産科婦人科学会は1月、「妊娠12週までは接種を避ける」「(接種する場合は)なるべく接種前後にエコー検査などで胎児の心拍を確認する」などの提言をしている。
 持病があって、接種すべきか悩んでいる人は、医師に相談する。感染して重症化するリスクを踏まえ、最終的には自分で判断する。
 16歳未満は、安全性が十分に確認されていないため、接種の対象外。当日、37.5度以上の熱がある人は接種できない。

◆どんな副反応があるの?

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査報告書によると、ファイザー製ワクチンを1回目に接種した後、全体の約78%が注射部位の痛みを感じた。2回目は約73%。38度以上の発熱は、1回目が約3%、2回目が約14%で、注射部位の痛みに比べると少ない。一般的にワクチン接種は2回目の方が、免疫反応の影響で副反応が出やすい。
 ワクチンを接種すると免疫ができる。そうした働き以外の体によくない痛みや発熱などが起きることを「副反応」と呼ぶ。
 薬の影響で起きる体によくないことは「副作用」と呼ばれるが、意味合いは同じ。厚生労働省によると、「副反応、副作用の使い分けの定義はない。慣例で呼び分けている」。
 ワクチン接種後の副反応で死亡した場合、国の健康被害救済制度で、一時金として遺族に4420万円が支払われる。

◆どの会社のワクチンにするか選べる?

 現在、国内で接種をしている新型コロナワクチンは米ファイザー製のもの。政府は、同社から1億4400万回分の供給を受ける。ほかに、承認審査中の英アストラゼネカ製を1億2000万回分、国内で治験中の米モデルナ製を5000万回分確保している。
 誰がどのワクチンを接種するかは分からない。厚労省は「接種を受ける時期に供給されているワクチンを接種することになる」と説明する。供給が進めば、どこで、どのワクチンを接種できるか公表される予定だ。自分で調べて申し込めば、手間はかかるが、ワクチンを選んで接種することも不可能ではない。
 ファイザーのワクチンは米国とベルギー、ドイツで生産され、日本には欧州から輸入されることになっている。しかし、EUがワクチンの輸出を承認制にしたため、輸入時期が見通せなくなっている。
(2021年3月1日東京新聞朝刊に掲載)

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