「世界的に珍しい遺跡、開発再考を」日本考古学協会が全面保存求める声明<高輪築堤>

2021年3月2日 18時13分
2月16日に高輪築堤(写真後方)の遺構を視察する萩生田光一文部科学相(右手前)

2月16日に高輪築堤(写真後方)の遺構を視察する萩生田光一文部科学相(右手前)

 日本考古学協会は2日、「日本最初の鉄道が開通した際に造られた世界的にも珍しい海上築堤」だとして、東京都港区で見つかった鉄道開業時の遺構「高輪築堤」の全面保存を求める会長声明を発表した。協会は1月、JR東日本に全面保存を求めたが、同社から一部現地保存と移築保存にとどめると回答を受けたため、あらためて表明した。
 声明では、1872年に造られた世界的にも珍しい海上築堤が、奇跡的にほぼ当時のままの姿で見つかったと指摘。活用すれば魅力あるまちづくりが可能で、遺構を含む一帯を再開発するJR東は、計画を見直して全面保存すべきだと主張している。
 協会の辻秀人会長は「近代日本のスタートの様子が眼前に迫る遺構。遺跡として最も重要な、国の特別史跡に値する。JR東の回答に納得できず、異例の対応となった」と強調した。
 築堤をめぐっては2月26日、日本歴史学協会が交通史学会など約20団体の連名で、現地保存や国史跡への指定を求める要望書を、JR東や文部科学省に提出した。JR東は取材に「保存のあり方について、現時点では方針を変えていない」としている。(梅野光春)

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