「森氏発言批判のメディア自身が女性登用遅れ」 マスコミ団体がシンポジウム

2021年3月2日 21時23分
 社会のジェンダー不平等の問題点を指摘する役割のメディア業界自体、女性登用が進んでいない―。8日の国際女性デーを前に、その実態を検証し、改善策を話し合うオンラインシンポジウム「もう、変えよう『オトコ』目線のメディア」が開かれた。
 メディア業界の労働組合「日本マスコミ文化情報労組会議」とメディア総合研究所が主催。送り手として感じる課題として記者から「意思決定層が50~60代の男性ばかりでニュースの価値判断が偏っている」「ネット上ではニュースへの反応がとても早いが、こうした人たちの反応と新聞社内の反応がずれていると感じることがある」などの意見が出た。
 情報の受け手として、大学生5人も登壇。「『おじさんの話を若い女性が聞く』構図の番組が多く、見ようと思わない」「首相会見を見ていると、スーツ姿の男性記者ばかりで驚く」との意見が出た。今春から新聞社で働く男子学生は「受験したどの社でも2次面接以降は面接官がすべて男性。一方、案内役や面接前に緊張をほぐす役割をしてくれるのは女性で違和感があった」という声もあった。
 新聞労連の吉永磨美委員長は「東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長による女性蔑視発言を批判しながら、自分たちの組織もこうした状況であることに、記者たちもジレンマを感じながら働いている」と指摘。「多様な人たちがどう組織に主体的にかかわることができるかを幅広く議論したい」と訴えた。
 メディア業界のジェンダーバランスをめぐっては、新聞、民放、出版の労働組合などが、各業界団体や加盟各社の女性役員の割合比率を3割にすることなどを求める要請文を出し、国際女性デーを前に2月に公表している。(小林由比)

◆中日新聞社の女性管理職は5.5% 新聞協会の平均下回る

 本紙を発行する中日新聞社のジェンダーバランスも調べた。管理職のうち女性は2020年4月時点で5.5%で、役員は19人中、女性が1人(5.2%)だった。
 女性管理職の割合は19年の3.6%より上がったものの、日本新聞協会に加盟する新聞・通信約90社の平均8%を依然下回っている。
 従業員全体の構成は今年2月時点で、男性75.3%、女性24.7%。このうち東京本社で、主に記者で構成する編集局の女性は24.3%で、全体とほぼ同じ比率となっている。一方、編集局内の部長・室長以上の管理職では、女性は8.7%にとどまる。
 「社説」を担当する論説委員は、東京本社と名古屋本社をあわせて計26人で、このうち女性は2人。2021年度の新規採用予定者では、初めて男女が同数となった。(小嶋麻友美)

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