車いすソフト、世界初のプロ誕生 慶応大4年・小貫怜央さん 茨城APの監督兼任

2021年3月3日 07時21分

プロ契約を結んだ小貫怜央さん(左)と山根将大社長=笠間市役所岩間支所で

 プロ野球独立リーグ「ルートインBCリーグ」の茨城アストロプラネッツ(AP)を運営する茨城県民球団が、車いすソフトボールチームの選手兼監督として日本代表経験者の小貫怜央(おぬきれお)さん(22)=慶応大4年=とプロ契約を結んだ。球団によると、車いすソフトでのプロ契約は世界初。足が不自由な小貫さんは「自分の後にプロ契約で続く選手が出てくるとうれしい」と意気込む。 (出来田敬司)
 東京都出身の小貫さんは、野球部だった中学三年の時に左膝に骨肉腫を発症し、人工関節に切り替える手術を受けた。高校三年の時に車いすソフトのことを知ると、すぐに都内のチームに所属し、左投げ左打ちの外野手として持ち前の才能が開花。二〇一九年に米国で開かれた世界大会に日本代表として出場し、優勝に導いた。
 車いすソフトの基本的ルールはソフトボールと同じ。競技用の車いすに乗って十人制でプレーする。国際車椅子ソフトボール連盟が正式種目入りを目指すパラリンピックでは、主に下肢障害の選手が対象だが、日本では健常者の参加も認められている。
 発祥地の米国では一九七〇年代にチームが誕生。日本では、日本車椅子ソフトボール協会が二〇一三年に発足した。全国で十六チームが毎年、「全日本大会」「ライオンズカップ」などで覇を競っている。

練習試合でプレーする茨城アストロプラネッツの選手(茨城アストロプラネッツ提供)

 スポーツと福祉の両立を掲げる茨城県民球団が、プロ野球チームと同名の車いすチームを設立したのは一九年一月。中学生から六十代までの男女三十人で構成され、健常者が約六割を占める。目標は「設立三年以内に大会の大小を問わず優勝すること」だが、これまでは二勝十一敗と苦戦。昨年は新型コロナウイルス禍で公式戦がなく、本拠地とする笠間市の大池公園などで日夜練習に励んできた。
 それだけに小貫さんへの期待は大きい。選手兼監督だけでなく、球団の運営も担ってもらう考えだ。コロナの感染爆発に伴う県独自の緊急事態宣言が二月二十三日に解除され、これから「小貫体制」が本格的にスタートする。
 笠間市内で先月、契約を交わし、記者会見した小貫さんは「プラネッツに選んでいただき感謝している。選手としても監督としても活動しやすい環境が整っている。これまでの経験を生かし、チームを強くしたい」と笑顔を見せた。
 球団の山根将大社長は「車いすソフトの選手として小貫さんの実績は全国でもトップクラスだ。パラスポーツ全般にいい影響を与えてもらいたい」と期待を寄せた。

関連キーワード

PR情報

茨城の新着

記事一覧