コロナ禍で「医師になるの怖い」…医学生らが手書きで励まし合う交換日記投稿サイトを開設

2021年3月3日 12時00分

「生きるための交換日記」に投稿された若者の思い。下には大阪大医学部の澤芳樹教授から「人類はコロナに勝てないとしたら…」と答えを自問してもらおうとする応援メッセージが寄せられた=inochi WAKAZO Project提供

 「『医学生だからこそ出来ること』にどんどんチャレンジしたい」「目の前で困っている人に手を差し伸べられる人になる」。医療従事者を志す若者たちが胸の内を明かし、励まし合えるウェブサイトを医学生らの団体が開設した。サイト名は「生きるための交換日記」。紙1枚に手書きした日記を投稿し、返信を受ける方式だ。新型コロナウイルス禍で医療従事者の奮闘が続く中、率直な思いや将来の目標が、一人一人の文字でつづられている。 (神谷円香)
 サイトは医療課題の解決策について提言する医学生らの団体「inochi WAKAZO Project」の企画で、昨年7月に始まった。

「生きるための交換日記」に投稿された若者の思い=inochi WAKAZO Project提供

 投稿者はまず、B5かA4の紙1枚に「生きる意味」「コロナで感じたこと」「コロナ後の毎日で頑張りたいこと」の3つのテーマについて、手書きで自由に記す。年齢とイニシャルも書き入れ、紙の写真を撮って、サイトの専用フォームから投稿する。
 投稿内容は順次、サイトに公開される。「交換日記」の名の通り、読んだ人が投稿者にメッセージを送れる仕組みになっている。

「生きるための交換日記」に投稿された若者の思い=inochi WAKAZO Project提供

 順天堂大医学部3年の国富太郎さん(21)は、コロナの感染が国内で広がり始めた昨年3月、団体に入った。授業がオンラインになり、自分の将来を考える時間が増えたころ、同級生から誘われた。
 交換日記の企画は、団体の仲間と不安を共有する中で生まれた。コロナ対応の過酷な現場で働く医療従事者の姿が連日報道され、「自分も友人も『医師になるのが怖い』と夢から逃げ出したくなりそうだった」。同じ志を持つ若者同士で、応援し合いたい。社会の大人たちからも応援してもらえたら。そんな願いで企画が始まった。

「生きるための交換日記」に投稿された若者の思い=inochi WAKAZO Project提供

 手書きにしたのは、印字した文字以上の情報が伝わるから。黒い筆で決意を記した力強い1枚。楷書でつづったきちょうめんな1枚。イラストを添えた温かい1枚。それぞれの日記に個性がにじみ出ている。
 公開中の投稿には「今だからこそ、志を高く持ってくださる若い方に期待し、全力でエールを送りたいです」といった応援のメッセージが寄せられている。

「生きるための交換日記」に投稿された若者の思い=inochi WAKAZO Project

 日記の募集目標は1000枚。現在、中学生から大学生を中心に約850枚に達した。集まった思いにミュージシャンがメロディーをつけ、曲にする予定だ。

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