テレワーク中に青春18きっぷを偽造 570円を浮かそうとした国交省の元職員

2021年3月3日 21時57分
国土交通省が入る中央合同庁舎3号館

国土交通省が入る中央合同庁舎3号館

 偽の「青春18きっぷ」で運賃570円分の無賃乗車をした国土交通省元職員の男性被告(49)に対する3日の東京地裁判決は有罪だった。少しでも交通費を浮かそうと、新型コロナウイルス禍のテレワーク中に自宅で偽造。残ったのは後悔だけだった。(小沢慧一)

◆駅員に示して使う特性を利用

 詐欺罪に問われた国交省鉄道局鉄道事業課の元課長補佐=2日付で懲戒免職=の判決公判。児島光夫裁判官が「正規の切符と見間違えるほど精巧だ」として懲役1年、執行猶予3年の判決を言い渡すと、黒いスーツ姿の被告は目をつぶり、口を固く結んだ。
 事件があったのは昨年12月18日。被告は、駅員に示して使う青春18きっぷの特性を利用し、偽造した切符でJR石川町駅(横浜市)の改札を通った。だが、東京駅の改札を出る際には駅員に偽物と見破られ、逮捕された。
 先月10日にあった証人尋問で、妻は月の小遣いとして3万円を渡していたと証言。「夫はギャンブルもせず、生活に困ってはいなかった」と述べた。

◆「けちな性格」普段から…

 一方、被告は同日の被告人質問で、自身を「けちな性格」と説明。普段から交通費を浮かすため、電車は一部しか使わず自転車通勤していたと語った。
 もっと交通費を浮かせられないか―。テレワークをしていた昨春、自動改札機を通さない青春18きっぷなら偽造できるのではと思い、手元にあった使用済み切符を元にパソコンで偽造。この偽切符で複数回、無賃乗車したことがあったと認めた。

◆鉄道事業者の監督役だった

 職場では鉄道事業者の監督業務に当たっていた被告。「JRにおわびしたい。鉄道ファンや国交省にも迷惑をかけてしまった」とうなだれ、検察官に「国家公務員としての誇りや責任はないんですか」と問われると、「申し訳ない」と消え入るような声で答えていた。
 この日の判決公判でも「反省しています」と改めて謝罪した被告。裁判官に何度も頭を下げ、法廷を後にした。

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