理一郎の緞帳、もらい手なし 足利市、お別れ行事検討へ

2021年3月4日 08時01分

川島理一郎原画の緞帳「織姫の舞い」=足利市で

 足利市の足利市民会館解体に伴う大ホールの緞帳(どんちょう)の取り扱いを巡り、市が受け入れを足利商工会議所に打診、同商議所は三日、難色を示した。巨大で経年劣化もあり、維持管理が困難なことが主な理由。廃棄は決定的となり、市は六月末の閉館前に市民とお別れ行事を開く検討を始めた。 (梅村武史)
 緞帳は世界で活躍した足利市出身の洋画家、川島理一郎(一八八六〜一九七一年)の原画を元にした貴重な品。理一郎の作品約三十点を所蔵し、郷土の偉人顕彰に尽力してきた同商議所は引き取り手の最有力候補だった。だが、同日の正副会頭監事会議で、受け入れ困難という結論に至った。
 漆原宏志理事によると「一部に惜しむ声が出たものの、再活用が困難で修復や管理コストが高く、関係者の理解が得られないとの意見が大半だった」と話す。

川島理一郎

 緞帳「織姫(おりひめ)の舞い」は高さ十メートル、幅二十メートル。同商議所一階の友愛ホールに収納するのは難しく、重量約八百キロをつるすための鉄骨補強が必要という。
 市は一九六六年の同会館完成時に緞帳を寄贈した足利銀行にも受け入れを打診したが断られた。新市民会館は完成時期も構造も未定で、保管して再利用するのは難しいという。
 市教育委員会文化課の柏瀬美奈子課長は「市民が緞帳に触れ合う機会を設けて、お別れを惜しみたい」と話した。

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