<あの日から 東日本大震災10年>卒業前のオンラインエール交換 多摩市立第一小の130人 浪江町立津島小の須藤君と

2021年3月5日 07時10分

スクリーンに映る浪江町立津島小の須藤嘉人君(右)

 東日本大震災から十年を前に、多摩市立多摩第一小学校の六年生約百三十人が四日、福島県浪江町立津島小学校の唯一の在校生で六年の須藤嘉人(よしと)君(12)とオンラインで交流した。今月卒業する須藤君と児童は「中学校生活を一緒に頑張りましょう」とエールを送り合った。 (服部展和)

■唯一の在校生

 須藤君は、東京電力福島第一原発事故の影響で福島県二本松市に避難している津島小に通う。先生の指導を受けながら二月二十五日、校舎の一角に浪江町の記録を紹介する「10年間ふるさとなみえ博物館」を開設し、初代館長になった。同校は須藤君が卒業する今月末で休校となる。
 多摩市と浪江町の小中学生の交流は二〇一六年、浪江町支援を続ける多摩市の桜ケ丘商店会連合会の呼び掛けで始まり、児童、生徒が行き来して交流を深めてきた。須藤君は一年生のときに初めて多摩市や多摩動物公園(日野市)を訪れ、昨年は多摩第一小で福島の方言を交えたオリジナル曲「んだげんちょ」(そうだけれども)の踊り、かるたを楽しんだ。
 今年は多摩第一小の六年生が津島小を訪れる予定だったが、コロナ禍で断念。代わりにオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って両校をつなぎ、交流することになった。博物館の様子を収めたDVDを事前に観賞した多摩第一小の児童たちは「未来の浪江の模型を見て、浪江の歴史を残したいという思いが伝わってきた」「震災がどれだけ大変だったか分かりました。ずっと応援しています」と感想を披露。須藤君は「自分の思いが伝わってうれしい。中学生になったら野球部に入って頑張りたい」と応じた。

■また遊びたい

 震災当時、福島県いわき市の祖父母宅にいた宮城玖琉未(くるみ)さん(12)は「まだ小さかったので当時の記憶はないけれど、震災を体験した人から聞いた話を他の人にも伝えていきたい」。村越晴太君(12)は「震災に負けずに頑張っている須藤君はすごい。また一緒に遊びたい」と笑顔を見せた。

オンラインで須藤嘉人君と交流する多摩第一小の児童たち=いずれも多摩市で


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