「残念だけど印象に残る1年」コロナ禍で一変した中学生活 それでも前向き「残りの日々をみんなで」

2021年3月6日 06時00分
 新型コロナウイルス感染の収束が見通せず、首都圏1都3県で緊急事態宣言の再延長が5日、決まった。再延長を受け、修学旅行の代替行事が中止になった中学校もある。感染防止に努め、我慢を続けてきた1年間。東京都板橋区立桜川中の3年生たちは「残念だけど、こんな1年になったからこそ印象に残るはず。プラスに捉えて、残りの日数をみんなで過ごしたい」と前を向く。 (土門哲雄)

教室で卒業文集の原稿を書く3年生(一部画像処理)=東京都板橋区の区立桜川中学校で

◆修学旅行も、遠足も…合唱の代替行事まで

 同校は昨年10月に予定していた京都、奈良への2泊3日の修学旅行が中止になり、代替行事として今月12日に神奈川・鎌倉への遠足を企画。3クラスの約120人を貸し切りバス4台に分けて「密」を防ぎ、班別行動の計画やしおりも準備した。だが、宣言再延長で都県をまたいだ遠足は中止。代わりに区内の史跡を歩いて巡る予定だ。
 14日には、昨年10月に行われるはずだった合唱コンクールの代替行事も計画していた。日曜に3年生だけ登校し、クラスごとに中庭でマスクをしたまま歌い、同級生に校舎で聴いてもらう形を考えたが、合唱の練習ができず、これも中止が決まった。
 学校生活が一変した1年間だった。4~5月は臨時休校で、運動会などの行事は早々に中止が決定。6月から分散登校が始まり、教卓と生徒の席の間にビニールシートを垂らし、手洗いを徹底するために休み時間を5分ずつ延ばすなど感染対策に神経をとがらせた。

◆延長繰り返される緊急事態宣言に振り回され

 部活動が再開したのは7月。バドミントンや剣道など屋内競技や吹奏楽は3年生の最後の大会が中止に。学習の遅れを取り戻すため、夏休みは1週間短縮された。5月に予定していた運動会の代わりとなるスポーツ行事は10~11月、競技ごとに1時間ずつ分散する形で実施。生徒同士の間隔を空け、マスクやフェースシールド、軍手を着用。声を出さずに拍手を送った。
 修学旅行に代わる鎌倉への遠足も当初は今月5日に予定したが、2月の緊急事態宣言延長を受けて延期していた。3年生は2日に都立高校の合格発表が終わり、遠足など残りわずかな学校行事を楽しみにしていた。そんな中での再延長―。

◆悔しさ糧に「卒業まで精いっぱい」

 それでも、3年の男子は「卒業式まで2週間。いろんな行事ができなかったのは残念だけど、できる中でみんなで思い出をつくっていきたい」。別の男子は「来年度を見据えている。高校で頑張りたい」と話す。
 19日の卒業式も緊急事態宣言下で迎える可能性が高い。「感染防止に努めながら、みんなけなげに頑張ってきた。悔しいから投げ出すんじゃなくて、悔しいからこそ、なおさらできることを精いっぱいやって卒業しよう」。3年の学年主任の男性主幹教諭は生徒たちをそう思いやり、門出に心からのエールを送るつもりだ。
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◆学校内より家庭での感染が大半

 文部科学省によると、一斉休校がほぼ終わった昨年6月から今年1月末までに、全国の小中高校と特別支援学校で児童生徒1万2107人が新型コロナウイルスに感染した。感染経路は小学生の79%、中学生の63%が家庭内で、学校内はそれぞれ4%、8%。高校生は家庭内と経路不明が各33%、学校内が25%だった。
 同じ学校で複数の感染者が確認されたのは1087件あり、うち5人以上のクラスター(感染者集団)の発生事例は236件。文科省は「10代未満や10代の発症、重症割合は小さいとされ、学校での工夫や努力もあり、地域での感染拡大にはつながっていない」としている

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