1人1人の人生想像してほしい…東京大空襲の犠牲者400人の名前、集会で読み上げへ

2021年3月6日 06時00分
 一夜にして約10万人が死亡したとされる1945年3月10日の東京大空襲から76年を前に、空襲犠牲者1人1人の名前を読み上げる追悼集会が8日、東京都内で初めて開かれる。「一くくりにはできない、それぞれの人生を想像してほしい」と遺族らが企画した。(井上靖史)
 集会の実行委員会は、空襲犠牲者の遺族らが国に謝罪と補償を求めた東京大空襲訴訟の元原告団と、その支援者たちで結成。当日は訴訟で公表された犠牲者名簿などから、遺族の了解が得られた約400人の氏名、当時の年齢、性別、住所を1時間ほどかけて読む。会場が手狭なことや新型コロナ対策などのため、インターネットでも配信する。

東京大空襲の被害救済を求めた訴訟資料などを基にした名前読み上げリストに目を通す河合節子さん=東京都内で

 「名前から、1人1人への思いを巡らせたい」。発起人の河合節子さん(81)=千葉市=が話す。これまで東京大空襲の追悼行事で、犠牲者の名前が読み上げられたことはなかった。都立横網町公園(墨田区)にある「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」には、約8万人分に上る犠牲者名簿が納められているが、都は個人情報保護法を理由に非公開としている。
 河合さんは空襲で江東区の自宅が燃え、母親と弟2人を亡くし、犠牲者の調査と、都が所有する名簿の公表を求める活動を続ける。
 昨年夏、市民団体「シベリア抑留者支援・記録センター」が「犠牲者の名前を記憶に刻む」ことを目指し、ネット上で4万6300人の名前を読み上げる中継をしたことに背中を押され、読み上げ集会を思い立った。「全国の空襲犠牲者にイベントのことを知らせ、名前の読み上げが普通になるようにしたい」
 8日の会場は、民間の戦争資料展示施設「東京大空襲・戦災資料センター」(江東区)。会場参加は既に締め切り、ビデオ会議システム「Zoom」によるリモート参加を呼び掛けている。名前の読み上げ希望も募集している。詳細は、実行委員会のWEBページへ。問い合わせは、河合さん=電090(5406)2577=へ。

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