最新学説でよみがえった1/20スケール遣唐使船 静岡の知見と造船技術を結集、九州国立博物館でお披露目へ

2021年3月6日 12時00分

完成した遣唐使船を囲み、復元を振り返る(左から)岡村彰人社長、宗一会長、一郎工場長。帆や舵がロープで動く=いずれも1日、松崎町の岡村造船所で

 謎に包まれた遣唐使船の実像を現代によみがえらせようと、静岡県内の研究者と造船所が復元に挑み、模型が完成した。水中考古学の知見を反映した復元は国内初。企画した九州国立博物館(福岡県太宰府市、九博)に既に運ばれ、新年度から展示される。(五十幡将之)
 模型は全長145センチ、幅約32センチ、高さ110センチで実物の約20分の1。木造船製造技術の高さで知られ、実寸大を含め、多くの遣唐使船を造ってきた岡村造船所(静岡県松崎町)が昨年10月から制作してきた。

復元され、船尾から見た外板が鎧張りの遣唐使船

 注力したのが、水に触れる外板部で、板の一部を重ねて継ぐ「よろい張り」の技法を採用。従来は板を平らに継ぐ「平張り」にしていたが、東アジアの沈没船研究の第一人者で、九博が監修を依頼した東海大海洋学部(静岡市清水区)講師木村淳さん(41)=水中考古学=の研究から、当時は鎧張りだった可能性が高いことが分かり取り入れた。
 同社の岡村宗一会長(74)は「鎧張りと聞いた時は手がかかって大変と思ったが、九博から『できる範囲で』と言われ、やってやろうと職人魂に火が付いた」と笑う。

船上の建造物も精巧に造られた

 船内を仕切る隔壁かくへきを従来の倍近く設置し、竹を編んだ主帆「網代帆あじろほ」の上に布帆を付けるなど、これまでの遣唐使船のイメージを大きく変える最新の研究成果を、所々に反映させた。
 遣唐使船づくりは先代の父が手掛け始め今年で40年といい、岡村会長は「実寸大にしたら十分走れる精密さで、今までで最も美しい遣唐使船。九州では一歩下がった所から全体の雰囲気を見て、当時を想像してほしい」と話している。

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