<コロナ緊急事態>今どう行動すべき? 川崎市医師会・岡野会長に質問

2020年4月12日 02時00分

川崎市医師会の感染拡大防止への取り組みを説明する岡野敏明会長=多摩区の岡野内科医院で

 新型コロナウイルス感染症の拡大による政府の緊急事態宣言で、不要不急の外出自粛がさらに求められ、市民の生活に大きな影響が出ている。今私たちはどう行動するのが望ましいか。川崎市医師会の岡野敏明会長(61)=岡野内科医院院長・多摩区=は人混みを避ける大切さの一方、かえって健康を害する過剰な自粛にも警鐘を鳴らす。市医師会の感染拡大を防ぐ取り組みも聞いた。(安田栄治)
 -緊急事態宣言をどうとらえているか。
 ウイルスの感染力の大きさがまだ見えていないから、外出自粛などに効果がどれだけあるかは分からない。ウイルスは鼻、のどなどの粘膜を通して入ってくるからマスクをしたり、家からの出入りや食事の際の手の消毒を徹底してやること。それはこれまでと同じだ。
 -外出自粛の状態が続く中で心配されることは。
 外に出ないようにしたら膝が痛くなったと、うちの患者さんも話していた。高齢者の場合、歩かないでいると一、二カ月で歩けなくなることもある。屋内に居続けることは精神衛生上も良くない。歩ける人は歩いた方がいい。公共交通機関を使わず、人混みは避けて近くの公園や川の土手を利用する分には、外出を自粛する必要はない。
 -医師会として感染拡大防止への取り組みは。
 今回の宣言で、軽症者をホテルなどの施設に収容することや在宅療養という言葉が、対応策に入った。我々にとって光が見えてきた。軽症者の受け皿ができれば、病院の負担を軽減できる。PCR検査を積極的に増やすこともできる。その検査をやらせてくれと行政には言っている。
 -具体的には。
 各区にある休日夜間急患診療所の数カ所をPCR検査だけを行う医療機関に指定し、医師会のメンバーが当番制で検査を行う形を取りたい。感染者の陰性判定も二度行わないといけないから、今は専門機関の負担が大きい。それも引き受けられると思っている。
 -検査の負担は大きいのでは。
 今、プラスチック段ボールを盾のように組み立てて二次感染を予防する検査器具が開発されている。これを使えば、医療従事者が感染防止用ガウンを正しい方法で着脱する必要もなくなり、検査手順が簡略になる。すでに納品予約はしてあるから、手に入ればすぐにでも取り組みたい。
 -他の取り組みは。
 収容先にいる軽症者に電話などによるオンライン診療を担当することも考えている。医師会としては行政と連携し、まず病院の負担を最小限にしないといけない。われわれは近所にいる患者さんも守らないといけない。水際でできることを先頭に立ってやっていく。
 -外来診療で気を付けていることは。
 うちの病院では玄関の前に看護師を立たせて患者さんが院内に入る前に検温している。待合室の濃厚接触を避けるため、症状がある人は待合室を通らずに診察室に入れたり、外で待機してもらっている。(感染者に)症状が出ない人もいるので院内感染が出ないよう細心の注意を払っている。
<おかの・としあき> 愛知医科大学医学部卒。聖マリアンナ医大病院(宮前区)勤務を経て、2002年に岡野内科医院の3代目院長に就任。1995年阪神・淡路大震災、2011年東日本大震災、16年熊本地震では現地入りして救護所を巡回。今年2月には集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に川崎市医師会のメンバーとともに駆けつけ、船内診療に加わった。

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