「反原発の思いは絶やさない」福島原発事故から10年、最後の国会前デモで決意新た

2021年3月7日 21時06分
 

 東京電力福島第一原発事故から10年を前に、国会前で反原発を訴える人たち=7日午後、東京・永田町で(沢田将人撮影)

 「福島の事故を忘れない」。東京電力福島第一原発事故から10年となるのを前に、国会周辺で7日、脱原発を訴える集会があった。事故翌年から、金曜日の首相官邸前デモなどを主催してきた首都圏反原発連合が3月末で活動を休止するため、今回が最後の大規模な集会となった。国会正門前には数百人がかけつけた。「集会やデモがなくなっても反原発の思いは絶やさない」と、参加者は決意を新たにした。(山下葉月、小野沢健太)
 曇り空の下、参加者は太鼓の音を鳴らしながらリズムを刻み、「すべての原発再稼働反対」「原発ゼロをさっさと決めろ」とシュプレヒコールをあげた。
 ヘアメーキャップアーティストのむとうちづるさん(63)=東京都狛江市=は、金曜日の首相官邸前デモが始まった2012年から約10年間で350回以上、官邸周辺に足を運んできた。「誰かが『原発はダメ』と言わないと何も変わらない」との思いからだ。

国会前で反原発を訴えるむとうちづるさん。10年間、350回以上デモに足を運んだ

 一時は約20万人が集まったが、最近は30人も満たない時もあったという。むとうさんは「声を届ける場を作ってくれたことに感謝している。今後は自分たちのSNSで反原発を発信する」と力を込めた。
 練馬区の会社員聖生せいりゅう和音かずとさん(23)は「最後と聞いて参加した。デモは人々の声を可視化する場で、なるべく続いてほしかった」と残念そう。千葉県大網白里市の無職伊藤金治郎さん(75)は「生きている限り、地元で反原発を訴えます」と話した。
 首都圏反原発連合は、参加人数の減少や資金難などから活動休止を決定。解散はせず「原発政策に動きがあったときなどにアクションを起こせるようにしたい」としている。
 中心メンバー、ミサオ・レッドウルフさんは「10年がたっても福島第一原発の事故収束すら進まないのに、いまだに原発を推進しようとしている政府の姿勢が恥ずかしい」と批判。「活動休止することは心残りだが、今後も声を上げたい」と話した。
  金曜日の官邸前デモは3月中は続けるという。

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