辺野古埋め立てハンスト、本土からも支えたい 若者たちが緊急声明

2021年3月9日 06時00分

6日間のハンストを終えた具志堅隆松さん=6日、那覇市で(琉球新報提供)

 沖縄県名護市辺野古へのこの米軍新基地建設に、沖縄本島南部の土砂を埋め立てに使う防衛省の計画に対し、遺骨収集ボランティア団体「ガマフヤー」の具志堅隆松代表(67)=那覇市=らが3月1日から6日間のハンガーストライキで抗議した。「基地に賛成や反対以前の問題。人の道に外れている」とする必死の訴えに、本土と沖縄の若者たちが呼応。60人が結集し、採掘中止などを求める緊急声明を発表した。(中山洋子)
 計画が明らかになったのは昨年4月。辺野古沿岸部の軟弱地盤の改良工事のため、防衛省は県に設計変更を申請、その中で土砂の調達先として本島南部の糸満市や八重瀬町を追加した。
 だが、沖縄本島南部は沖縄戦の激戦地。今も手付かずの遺骨が多く眠る。40年近く遺骨収集を続ける具志堅さんは「犠牲者には県民だけではなく、日本兵も米兵も、朝鮮半島の人々もいる。遺骨がまじった土砂で米軍基地をつくるのは犠牲者への冒瀆ぼうとく」と批判。「全国の戦没者遺族にも知ってほしい」とハンストに踏み切った。
 沖縄で共感を広げる一方、県外ではほとんど報じられない。この温度差に危機感を抱いた若者たちが、具志堅さんの思いに応える「緊急ステートメント」をウェブで6日に発表した。

ウェブで発表された若者たちの緊急声明

 呼び掛け人は、「辺野古」県民投票の会元代表の元山仁士郎さん(29)=東京都国立市=や、「菜の花の沖縄日記」著者の坂本菜の花さん(21)=石川県珠洲市=ら6人。名を連ねた10~20代の60人のうち、3分の2が本土の若者たちだ。
 声明では、国や県に本島南部の土砂採掘中止などを求めたほか、日本全体の民主主義にかかわる問題として「当事者意識を持って学び、議論する、開かれた場をつくる」ことも提言。本土のメディアによる報道も呼び掛けた。
 具志堅さんの遺骨収集に参加した縁もある坂本さんは「遺骨を含んだ土砂の採取が迫り、ハンストするしかなかった具志堅さんの強い思いに胸が締め付けられる。何かできることをしたかった」と話す。

ハンストで思いを訴える具志堅隆松さん=6日、那覇市で(琉球新報提供)

 呼び掛け人の1人で、米エール大生の西尾慧吾けいごさん(22)=大阪府茨木市=も「倫理的に問題がある計画を、沖縄に押しつけているのは恥ずかしく、申し訳ない」。沖縄スタディーツアーを企画した若者グループ「JIWA―JIWA」共同代表の古井愛さん(24)=埼玉県神川町=も「首都圏の私たちも無関係ではない。問題意識を友人たちと共有し、地元の自治体などにも働きかけたい」と話した。
 基地建設の賛否を問う県民投票の実現をハンストで訴えた経験がある元山さんは「本土でも自分の問題として受け止める若者たちもいる。一緒に学び、考え続けたい」と呼びかけた。

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