総務省「接待隠し」? 会食の事前届け出3年で1件のみ…際立つ少なさ

2021年3月12日 20時48分
国家公務員が利害関係者と会食する際に義務付けられた事前の届け出件数は、総務省が全省庁の中で目立って少ないことが、内閣人事局の集計で分かった。総務省の届け出は過去3年間で1件。実際には幹部職員らが業者から繰り返し高額接待を受けた。意図的な「接待隠し」の可能性もある。(川田篤志)
 旧大蔵省の接待汚職を受けて2000年に施行された国家公務員倫理法に基づく倫理規程は、許認可事業などの利害関係者による接待を禁じ、飲食代を折半する場合も自己負担が1万円を超える場合、事前の届け出を原則としている。
 内閣人事局のまとめによると、官僚らが利害関係者と「割り勘」で行う会食の届け出は15~19年度、それぞれ計200~400件ほどで推移。所管する許認可事業が多い経済産業省や農林水産省は外局を含め年間100件前後に上るが、総務省は18、19年度がゼロ。5年間の合計でも計11件にとどまる。
 実際は、菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による高額接待の判明を機に、総務省が実施した内部調査で16~20年に違法性のある接待38件が分かり、その後もNTT側との4件が明らかになった。このうち20件は1人当たりの飲食費が1万円を超えた。いずれも届け出はなかった。
 同省の担当者は「倫理法制定から時間がたち、緩んでいた」と認める。同省は他の業者からの接待の有無も調査しており、さらに件数が膨らむ可能性もある。
 不祥事の背景には、倫理規程を巡る公務員の不満も垣間見える。人事院の国家公務員倫理審査会が昨年夏に行った調査によると、会食ルールで「職務に必要な民間企業との意見交換に支障が生じている」との回答が23%を占めた。
 公務員制度に詳しい国際基督教大の西尾隆特任教授(行政学)は、倫理規程の目的を「民間との意見交換を禁止するものではなく、透明性を確保して公正に交流しようという趣旨だ」と説明。届け出が少ない原因を調べ、ルールを見直す必要性を見極めるべきだと強調する。

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