相模原殺傷、被告に死刑判決 佐々木教授らに聞く「プロセス言及なく残念」

2020年3月17日 02時00分

「予想された判決だが、司法の限界も感じる」と話す佐々木隆志さん=横浜市中区で

 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら四十五人を殺傷した罪などに問われた元施設職員植松聖被告(30)の判決公判があった十六日、横浜地裁にわずか十席の一般傍聴券を求め、千六百三人が訪れた。二カ月余に及んだ裁判は、それぞれの人たちに何を問いかけたのか。 (杉戸祐子、西岡聖雄、石川修巳、石原真樹、福浦未乃理)
 三男(24)に広汎性発達障害がある静岡県立大学短期大学部社会福祉学科の佐々木隆志教授(63)は「車いす、認知症になれば人間扱いされない社会はおかしいということを啓蒙(けいもう)したいからここにいる」ときっぱりと語った。死刑判決に「予想された判決だが、司法の限界も感じる。責任能力の有無や程度が争点だったが、遺族やわれわれ障害者を持つ親は、なぜ犯行に至ったのかが知りたかった」と指摘。「植松被告が社会に抱いた不満、福祉の現場を体験して思ったことも十分には明らかになっていない。犯行という結果のみが捉えられ、プロセスにあまり言及がなかったのは残念」と続けた。
 「障害者の親にとって判決は通過点。植松被告のような考え方の人が存在するのは事実であり、裁判を契機に、命は等しいということをもっと広めていきたい」と結んだ。
 二〇一七年八月から植松被告に五十回接見した月刊「創」編集長の篠田博之さん(68)も姿を見せた。
 篠田さんによると、公判で初めて、障害者も含んだ謝罪があったという。「接見の時に謝りたいと言っていた。それまでの謝罪は障害者の家族に対してだった。本人は最初の主張にかたくなで、心境の変化があったかどうかは推測だが、事件後、いろんな人に会い、裁判で被害者の話を聞いている」と話し、「三月初めに接見した時、本人は控訴しないと言っていたが、これで終わらせてほしくない」と訴えた。

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