登山歴75年 高尾山への感謝の1冊 八王子の菱山さん出版「四季折々に触れて」

2021年3月13日 07時26分

出版した本を手にする菱山さん=八王子市で

 「八王子自然友の会」の副会長を務める菱山忠三郎さん(84)=八王子市上恩方町=が、自然や植物にまつわるエッセーをまとめた書籍「高尾山の麓から−自然を見つめて」を出版した。植物にまつわる豊かな知識とともに、七十五年以上登ってきた高尾山への愛情が込められている。 (布施谷航)

◆版画年賀状

 第一章では、一九七九〜今年までの四十三年間にわたって出し続けてきた版画年賀状を写真入りで紹介している。
 毎年、干支(えと)にちなんだ植物を選んで、妻の久世さん(81)が下絵を描き、自身が彫刻刀を振るってきた。酉(とり)年には「ケイトウ(鶏頭)」、丑(うし)年には多摩地区で「ウシノヒタイ」とも呼ばれる「ミゾソバ」。こうした植物に関する知識を深められたのは「高尾山のおかげ」と話す。
 戦時中、小学校低学年の時に遠足で登って以来、高尾山の魅力に取りつかれた。大学卒業後、一九六二年に当時の市立高尾自然科学館に嘱託勤務。数年で職を辞したが、その後も自然科学館でイベントの手伝いをするなどして、高尾山と関わり続けてきた。

◆テーマ幅広く

 第二章と第三章には、日本植物友の会の会報などに寄せたエッセーを載せた。植物に関するトリビアや身近な自然に触れて感じた思いなどテーマは幅広いが、やはり「高尾山の風」や「高尾山のダイアモンド富士」など親しみ続けてきた地元の山を多く取り上げた。
 これまでに図鑑を含めて多くの本を著してきたが、今回は気軽に自然の魅力を楽しめるように心掛けた。コロナ禍で登る機会は減ったが「高尾山は暖温帯系と冷温帯系の多様な植物が見られる。四季折々、いろいろなルートで魅力に触れてもらいたい」と話す。
 本はA5判で百六十八ページ。税抜き千七百円。八王子市内の書店を中心に販売している。問い合わせは、揺籃(ようらん)社=電042(620)2615=へ。

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