映画「ノマドランド」で監督賞のジャオ氏、中国から「売国女監督」などと非難 過去の母国批判で

2021年3月14日 06時00分
クロエ・ジャオさん(2018年1月、米ユタ州で撮影)=AP

クロエ・ジャオさん(2018年1月、米ユタ州で撮影)=AP

 【北京=中沢穣】2月発表の米映画賞「ゴールデン・グローブ賞」で、アジア系女性として初めて監督賞を受賞したクロエ・ジャオ(中国名・趙婷)さん(38)が、出身国の中国への過去の批判的な発言を巡り、同国内で非難を浴びている。作品賞にも輝いた監督作品「ノマドランド」は、中国で4月に予定されていた上映が取り消された。

◆米アカデミー賞も有力候補…でも、中国では上映取り消し

 作品は米国を舞台に夫も家も失い、現代のノマド(遊牧民)として車上生活する女性を描いた。ベネチア映画祭の最高賞である金獅子賞も獲得し、4月下旬に発表の米アカデミー賞でも受賞が有力視されている。
 中国メディアなどによると、北京出身のジャオさんは10代半ばで渡英後、米ニューヨーク大学で映画製作を学んだ。父は著名不動産企業のトップで、父の再婚相手も中国で有名な女優。現在は米国で活動する。
 ゴールデン・グローブ賞受賞の発表当初、中国でも「中国人の誇り」などと好意的に伝えられた。だが、雑誌のインタビューでの「成長期にいた中国はウソがあふれ、情報はどれも正確でなかった」「私の国は米国だ」との過去の発言が知られると、ネット上などで「売国女監督」「中国を侮辱した」と非難された。
 中国紙、環球時報の胡錫進編集長は「彼女への怒りは正常だ。(発言への批判は)当然受けるべき代価だ」と訴えた。中国のネット上では昨年から、中国へのささいな批判にも強く反発する民族主義的な傾向がさらに強まっている。

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