赤い椅子の輪 阿佐ケ谷駅周辺・住民グループ はずむ会話 広がる笑顔

2021年3月16日 07時08分

JR阿佐ケ谷駅周辺に赤い椅子を設置している佐藤久夫さん(右)ら「ふらり赤い椅子」のメンバー=杉並区で

 JR阿佐ケ谷駅(杉並区)周辺の商店街に、誰でも自由に座ってくつろげる「赤い椅子」が増えている。「足が弱い人でも安心して街歩きができるようにしたい」。設置した思いを多くの人たちに伝えたいと、本紙「ニュースあなた発」に連絡が届いた。 (西川正志)
 スーパーの前で買い物袋を抱えた高齢者が、真っ赤な椅子に腰を下ろしていた。住民グループ「ふらり赤い椅子」が二年前から置いている椅子は、現在、十九カ所に二十九脚がある。
 グループ会長の佐藤久夫さん(86)は「よく談笑している人を見掛けます。待ち合わせ場所にもなっている。足が悪い高齢者には『途中で休憩できるから一人でも通院できる』と喜んでもらえている」と笑顔で話す。
 高齢者が安心して暮らせる街づくりを住民たちで考えようと、区が二〇一八年に始めた勉強会の議論からアイデアが生まれた。約二十人のメンバーが月一回のペースで話し合う中、商店街には座って休むことができる場所が少ないことが課題に上がった。「道端に座り込む高齢者もいた」(メンバーの向出(むかいで)三千代さん)。休憩場所をつくることが必要だ、となった。
 当時、阿佐ケ谷駅からJR中央線で七分の吉祥寺駅(武蔵野市)周辺で「赤い椅子プロジェクト」が話題になっていた。不要になった椅子を地元の人たちから譲ってもらい、赤く塗り、街角に置く。街の有志たちにより現在も続く活動だ。阿佐ケ谷でも、これを参考にすることにした。
 メンバーが家庭から持ち寄った椅子の塗装を機械ではがし、ペンキを塗った。作業に約三カ月をかけて完成させた椅子は、一九年に九カ所に十脚、翌年、新たに十九脚を置いた。新年度は十脚を増設する計画だ。佐藤さんは「椅子に座れば知らない人同士でも自然におしゃべりが始まる。交流のきっかけにもしたい」。

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