生きづらさ 抱えないで 裂手症の20歳、SNS発信 啓発イベント広報大使に

2021年3月16日 07時19分

「すらいむですよ。」のユーザー名で発信する大学生(ティックトック画面のため左右が逆に写っています)

 生まれつき、手の指が欠損している裂手症(れっしゅしょう)の当事者が、障害への理解を広めようとネットで自撮り動画を公開している。ユーザー名「すらいむですよ。」さん(20)=茨城県=は、右手が4本、左手が3本の指を広げながら、日常生活を明るく語る。「勇気をもらった」と共感が広がっている。 (中村真暁)
 公表しているプロフィルは「指が七本のどこにでもいる理系国立大学生」。昨年十月に動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」やツイッター、ユーチューブなどでの発信を始めた。「SNS総フォロワー六万人達成」とアピールしている。
 名前は人気ロールプレーイングゲーム「ドラゴンクエスト」に登場するモンスター「スライム」にあやかった。理由について、視聴者からの質問に「手も足もないけど、笑顔で敵に向かっていく」と答えていた。
 動画配信を始めたときは映すのは手だけだった。「思った以上に多くの人が応援してくれた」と自信を深め、十一月からマスク姿の顔を見せるようにした。
 人さし指と中指がなく、手のひらが裂けている左手を広げるとL字形に見える。ティックトックでは「痛くないの?」「どうやってペンを持つの?」といった障害への疑問から、「嫌いな人との向き合い方は」といった人生相談までさまざまな質問に答えている。
 四月、共生社会の実現を目指して東京都渋谷区で開かれる「バディウォーク東京2021for all」のアンバサダー(広報大使)を務める。主催するNPO法人「SUPLIFE」(豊島区)の代表井田美保さん(46)から依頼され、引き受けた。「生きづらさを抱える人たちに、あきらめないでと伝えたい」
 バディウォークは、もともとダウン症への理解を広めるために始まった啓発イベントだが、井田さんは多様な人に参加を呼びかけている。四月二十四日午前十時から、渋谷区の代々木公園ケヤキ並木通りで開催。オンラインイベントも三月二十〜二十六日にある。詳細は「バディウォーク東京」のホームページから。「すらいむですよ。」さんの動画も見ることができる。
<裂手症> 指の本数が少なく手が裂けたようになる先天異常。南大阪小児リハビリテーション病院の川端秀彦院長のサイト「こどもの手や足の病気」によると1万人当たりの発症者は0・14人。中指とその基部にある骨が欠損し、深いV字状にへこむことが多い。人さし指や薬指がない人もいる。

2019年に開かれた「バディウォーク東京」。渋谷の街をパレードした


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