「報告した」名指しされても「記憶ない」 総務省の当時課長、東北新社側の説明を繰り返し否定

2021年3月16日 21時12分
 衆院予算委員会は16日、総務省幹部らへの一連の違法接待問題に関する質疑を行った。放送事業会社「東北新社」の衛星放送事業を巡り、放送法が定める外国資本規制違反の報告をしたと同社側が主張している総務省の鈴木信也電波部長は「報告を受けた記憶は全くない」と強調した。外資規制違反の報告を巡る東北新社と総務省の説明は、根幹部分で主張が対立している。(清水俊介、村上一樹)
 参考人招致された東北新社の中島信也社長は2017年8月9日ごろ、同社の木田由紀夫前執行役員が総務省情報流通行政局の総務課長だった鈴木氏と面会し、外資規制違反を報告したと改めて説明した。
 鈴木氏は「総務課長に異動した直後で多くの方があいさつに来た。木田氏も来たのかもしれない」と面会の可能性に言及。しかし、「外資規制違反のような重要な話を聞いたら覚えているはずだ」として、報告を受けたことは否定した。
 中島社長はさらに、木田氏が当初、衛星放送事業を直接担当する衛星・地域放送課長に報告しようとしたものの、課長が休暇中だったため、鈴木氏に報告したと具体的に説明。報告を受けた鈴木氏の反応については「特段のコメントはなかった」と述べた。
 中島社長の一連の説明に対し、鈴木氏は「記憶にない」と繰り返した。

衆院予算委で答弁する総務省の鈴木信也総合通信基盤局電波部長。後方は東北新社の中島信也社長=16日、国会で

 東北新社は外資規制違反の状態を解消しようと、子会社を新設し、衛星放送事業を承継。総務省は17年10月に承継を認可した。中島社長は「規制を満たし、事業を成立させる意図で承継した。隠蔽するつもりはなかった」と述べた。
 放送法は公共の電波を利用する放送事業者が外国資本の影響を受けずに独立性を保つため、地上波やBS、CS放送を行う基幹放送事業者に対し、外国資本による出資を議決権ベースで20%未満に制限している。事業者として認定を受けた後、20%を上回る場合は、総務相が認定を取り消さなければならないと定めている。
 東北新社と総務省の主張の対立について、武田良太総務相は17日に立ち上げる第三者による調査委員会の調査に委ねる考えを示した。

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