続々と辞職で遠のく総務省接待の真相 辞めた「民間人」招致に与党は否定的

2021年3月17日 06時00分
 NTTや東北新社から繰り返し高額接待を受け、16日付で辞職した総務省の谷脇康彦前総務審議官について、与党は今後、野党が求める国会招致に応じない方針だ。政府との関係が切れた「民間人」であることを理由にするが、菅義偉首相の長男正剛氏もかかわる不祥事への追及をかわしたい思惑が透ける。先に内閣広報官を辞めた山田真貴子氏や主な東北新社関係者ら、問題の核心を知るキーパーソンについても同様の対応で、真相究明に向けた消極的な姿勢が目立つ。(川田篤志)
 谷脇氏は15日まで国会に参考人として出席していたが、自民党幹部は辞職を機に「もう一般人だから、呼ぶ必要はない」と明言。世耕弘成参院幹事長も記者会見で「総務省も踏み込んだ調査をし、谷脇氏自身もかなりの回数、答弁している」と述べ、今後の招致に否定的な見方を示した。
 参考人招致は、憲法62条の「国政調査権」に基づく制度。人選や時期は与野党合意で決めるため、数で勝る与党の了承なしには実現しない仕組みだ。
 今回の接待問題で、与党が招致拒否のよりどころにするのは、国会の過去の対応だ。衆院事務局などによると、特に不祥事を巡る審議では参考人が「犯人扱い」され、不利益を被る恐れもあるとして、慎重に判断する傾向があるという。これを盾に、与党は接待していた東北新社の三上義之前取締役執行役員や木田由紀夫前執行役員、正剛氏を呼ぶことを拒み続けている。
 ただ、民間人の立場を尊重することと引き換えに、真相究明は遠のく。問題の当事者から重要証言を引き出す機会がなくなるからだ。16日の衆院予算委員会では、立憲民主党の後藤祐一氏が谷脇氏について「国会に呼べなくなる。(政権による)口封じではないか」と批判したが、武田良太総務相は「国会で決めることだ」と受け流した。

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